機械のための仕事は増えても、人々のための仕事はない – ニューヨークタイムズ紙

Twitterで、@NakaYoshikaさんがつぶやいていた、ニューヨークタイムズの記事です。

タイトルは、オイラふうに訳せば、「機械のための仕事は増えても、人々のための仕事はない」というあたりでしょうか。

マサチューセッツ工科大学の2人の研究者が最近『機械との競争』という電子書籍を出版したのですが、もともと彼らは、技術革新がどんな豊かな実りをもたらしたかを論じた『デジタル・フロンティア』という本を出すつもりだったのに、いろいろ調べているうちに、どうもそうではないというところにいたった、ということのようです。ちょっとおもしろそうな話ですね。

Economists See More Jobs for Machines, Not People – NYTimes.com

ということで、ヘッポコ訳です。

機械のための仕事は増えても、人々のための仕事は存在しない

[スティーブ・ロアー 2011年10月23日 ニューヨークタイムズ紙]

 アメリカでの仕事不足の大部分は混迷する経済によって説明される。しかし、発達する技術は――マサチューセッツ工科大学の2人の研究者によれば――一般に理解される以上に、はっきりと影響を拡大してきた。
 ひとたび人々によって動かされるとますます大きな仕事をするオートメーションというのが、月曜日出版された電子書籍の『機械との競争』の中心テーマだ。
 「一言で言えば、多くの労働者が機械との競争に敗れている」と、著者は書いている。
 エコノミストでマサチューセッツ工科大学デジタル・ビジネス・センター理事のエリック・ブリンジョルフソンと、同センター副理事で主任研究員であるアンドリュー・P・マカフィーは、技術と生産性についての我が国きっての専門家の2人だ。2人の先行研究はもっぱら先進技術の利益に焦点を当てていたが、彼らの著書の警告のトーンはそこから出発している。
 実際、彼らはもともとは、「現在進行中の技術革新の豊かな実り」についての『デジタル・フロンティア』というタイトルの本を書こうとしていた、とマカフィー氏は言った。しかし、過去2年間に雇用状況は明るくならなかったので、2人は、失業回復における技術の役割を調べる方向に変えた。
 著者たちは、技術から生まれた仕事のフォールアウトを最近指摘した唯一の研究者というわけではない。マッケンジー・クォータリーの最新号で、サンタフェ研究所客員教授であるW・ブリアン・オーサーは、次のように注意した。技術は、農場・工場の労働のオートメーションの波に続いて、急激にサービス職を引き継ぎつつある。「この最後の仕事の受け皿は縮小しつつある――将来、ホワイトカラーのビジネス処理仕事をやっている人はますます少なくなるだろう――そして、われわれは問題を抱えている」と、アーサー氏は書いている。
 マサチューセッツ工科大学の著者たちの、オートメーションは加速しつつあるという主張を共有しないエコノミストもいる。そういうエコノミストの代表格は、ノースウェスタン大学のロバート・J・ゴードンと、ジョージ・マーソン大学のタイラー・コーウェンだ。彼らは、技術革新による生産性の向上が1995年から2004年にかけて起こったが、それ以来なくなってしまったと主張する。コーウェン氏は、今年出版された電子書籍『グレート・スタグネーション』のなかでこの点を強調している。
 技術は、これまでいつでも、仕事や職を追放してきた。何年にもわたって、多くの専門家が――誤って――機械が優勢を勝ち取ってきたと警告してきた。1930年に、経済学者ジョン・メイナード・ケインズは、彼が「技術的失業」と名づけた「新しい病」を警告した。経済は、仕事がオートメーションによって失われるよりも急速に、新しい仕事をつくり出す能力がないというのだ。
 しかし、ブリンジョルフソン氏とマカフィー氏は、次のように論じている。オートメーションのペースは、ここ数年間、引きあがってきた。それは、ロボット、数値制御機械、コンピュータ化された在庫管理、音声認識とオンライン商取引を含む技術の結合によるものだ。
 より速く、よりやすいコンピュータとますます賢くなるソフトウェアは、かつては人間に特有のものと考えられた能力――会話を理解する、1つの言語から別の言語に翻訳する、パターンを認識する、といった――を機械に提供している、と著者たちは言う。だから、オートメーションは、急速に仕事を工場からコールセンター、マーケティングと販売業務――経済の中で最大の仕事を提供しているサービスセクターの部分――に移している。
 最近のリセッションのあいだに、たとえば販売業務部門では12人のうち1人が仕事を失った、と著者たちは書いている。そして、景気の低迷は、多くのビジネスに、人々にとってかわる技術を真剣に追い求めさせた。2009年6月のリセッションの終わり以来、装備とソフトウェアへの企業の支出は26%も増加したが、他方で、給与支払いはそのままだった、と彼らは記している。
 企業は上手くいっている。スタンダード・アンド・プアーズ500株価指数に含まれる企業は、今年度、総額9,270億ドル――ファースト・セット・リサーチの見積もりによれば――という最高記録の利益を報告することを期待されている。そして、企業利益は、経済に占める割合としては、過去50年間で最高になっている、と著者たちは指摘している。
 この10年間の生産性の伸びは――彼らは、2.5%以上と見ているが――1970年代、80年代よりも高く、90年代に迫るほどだ。経済は、その総ジョブ数を増やさなかったとはいえ、こうしたことが十年以上にわたって続いたのは大恐慌以来初めてのことだ、と彼らは書いている。
 機械のスキルは、改良されるばかりだろう。2004年、2人の主要エコノミスト、フランク・レヴィとリチャード・J・ムルナンが『新しい分業』を出版したが、それは、コンピュータと人間の労働者の能力を分析したものだった。トラックの運転が、コンピュータが動く対象物をリアルタイムで認識して反応しながら操縦することのできない仕事の一例として取り上げられた。
 しかし、昨年秋、グーグルは、ロボット・カーがアメリカの道路を数千マイル、後部座席の人間の運転手から時折り補助するだけで、走ったと発表した。グーグル・カーは時代の象徴の1つだ、とブリンジョルフソン氏は言う。
 ほかの人がそうするように、彼も、IBMの「ジェバディ」〔アメリカのクイズ番組〕に挑戦するコンピュータ、ワトソン――2月に、2人の人間の「ジェバディ」チャンピョンを打ち負かした――と、アップルの新しい個人支援ソフトSiri――音声命令に反応する――をあげた。
 「この技術は、わずか数年前にはコンピュータには手が届かないと思われていたことをやってのけることができる」と、ブリンジョルフェス氏は言った。 
 とはいえ、コンピュータはかろうじて割り当てられた課題をこなす程度で、解決策がひらめきや創造性――人間特有の――を必要とする場合には上手くいかない、と著者たちは言っている。協力こそが、未来の仕事創造への道だ、と彼らは断言している。
 「医療、法律、金融、小売業、工場生産、そして科学的発見においてさえ、競争に勝つカギは、機械相手に競争することではなく、機械を使って競争することだ」と彼らは書いている。

ということで、記事の結論はいささか竜頭蛇尾の感もしますが、それでも企業がコンピュータその他の新しい技術をつかって生産性を伸ばしながら、雇用は増えていないという問題は明らかでしょう。

More Jobs Predicted for Machines, Not People

[By STEVE LOHR Published: October 23, 2011]

A faltering economy explains much of the job shortage in America, but advancing technology has sharply magnified the effect, more so than is generally understood, according to two researchers at the Massachusetts Institute of Technology.

The automation of more and more work once done by humans is the central theme of “Race Against the Machine,” an e-book to be published on Monday.

“Many workers, in short, are losing the race against the machine,” the authors write.

Erik Brynjolfsson, an economist and director of the M.I.T. Center for Digital Business, and Andrew P. McAfee, associate director and principal research scientist at the center, are two of the nation’s leading experts on technology and productivity. The tone of alarm in their book is a departure for the pair, whose previous research has focused mainly on the benefits of advancing technology.

Indeed, they were originally going to write a book titled, “The Digital Frontier,” about the “cornucopia of innovation that is going on,” Mr. McAfee said. Yet as the employment picture failed to brighten in the last two years, the two changed course to examine technology’s role in the jobless recovery.

The authors are not the only ones recently to point to the job fallout from technology. In the current issue of the McKinsey Quarterly, W. Brian Arthur, an external professor at the Santa Fe Institute, warns that technology is quickly taking over service jobs, following the waves of automation of farm and factory work. “This last repository of jobs is shrinking — fewer of us in the future may have white-collar business process jobs — and we have a problem,” Mr. Arthur writes.

The M.I.T. authors’ claim that automation is accelerating is not shared by some economists. Prominent among them are Robert J. Gordon of Northwestern and Tyler Cowen of George Mason University, who contend that productivity improvement owing to technological innovation rose from 1995 to 2004, but has trailed off since. Mr. Cowen emphasized that point in an e-book, “The Great Stagnation,” published this year.

Technology has always displaced some work and jobs. Over the years, many experts have warned — mistakenly — that machines were gaining the upper hand. In 1930, the economist John Maynard Keynes warned of a “new disease” that he termed “technological unemployment,” the inability of the economy to create new jobs faster than jobs were lost to automation.

But Mr. Brynjolfsson and Mr. McAfee argue that the pace of automation has picked up in recent years because of a combination of technologies including robotics, numerically controlled machines, computerized inventory control, voice recognition and online commerce.

Faster, cheaper computers and increasingly clever software, the authors say, are giving machines capabilities that were once thought to be distinctively human, like understanding speech, translating from one language to another and recognizing patterns. So automation is rapidly moving beyond factories to jobs in call centers, marketing and sales ? parts of the services sector, which provides most jobs in the economy.

During the last recession, the authors write, one in 12 people in sales lost their jobs, for example. And the downturn prompted many businesses to look harder at substituting technology for people, if possible. Since the end of the recession in June 2009, they note, corporate spending on equipment and software has increased by 26 percent, while payrolls have been flat.

Corporations are doing fine. The companies in the Standard & Poor’s 500-stock index are expected to report record profits this year, a total $927 billion, estimates FactSet Research. And the authors point out that corporate profit as a share of the economy is at a 50-year high.

Productivity growth in the last decade, at more than 2.5 percent, they observe, is higher than the 1970s, 1980s and even edges out the 1990s. Still the economy, they write, did not add to its total job count, the first time that has happened over a decade since the Depression.

The skills of machines, the authors write, will only improve. In 2004, two leading economists, Frank Levy and Richard J. Murnane, published “The New Division of Labor,” which analyzed the capabilities of computers and human workers. Truck driving was cited as an example of the kind of work computers could not handle, recognizing and reacting to moving objects in real time.

But last fall, Google announced that its robot-driven cars had logged thousands of miles on American roads with only an occasional assist from human back-seat drivers. The Google cars, Mr. Brynjolfsson said, are but one sign of the times.

As others have, he pointed to I.B.M.’s “Jeopardy”-playing computer, Watson, which in February beat a pair of human “Jeopardy” champions; and Apple’s new personal assistant software, Siri, which responds to voice commands.

“This technology can do things now that only a few years ago were thought to be beyond the reach of computers,” Mr. Brynjolfsson said.

Yet computers, the authors say, tend to be narrow and literal-minded, good at assigned tasks but at a loss when a solution requires intuition and creativity ? human traits. A partnership, they assert, is the path to job creation in the future.

“In medicine, law, finance, retailing, manufacturing and even scientific discovery,” they write, “the key to winning the race is not to compete against machines but to compete with machines.”

くり返しますが、ヘッポコ訳ですので、引用・転載などはお断りします。紹介する場合も、中身についてはご自分で英語を読んでご確認ください。それから、細かい間違いは見逃していただくとして、とんでもない勘違いをしている場合は、なるべくこっそりとご指摘ください。(^^ゞ

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投稿者:

GAKU

年齢:50代 性別:男 都道府県:東京都(元関西人) 趣味:映画、クラシック音楽、あとはひたすら読書

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