今週の「九条の会」(11月5日まで)

全国各地の「九条の会」の活動を報道するニュースを、インターネットから拾いました。今週は、憲法公布の11月3日をはさんでいたため、各地でいろんな行事がもたれました。インターネットのニュースには、重複もありますが、とりあえず全部紹介します。

平和「希求」表す憲法 上尾で講演の集い

 「子どもたちに平和で明るい未来を」をテーマに上尾市教職員組合と同市小・中主任手当管理委員会主催の「コンサートと講演のつどい」がこのほど、上尾市の文化センターで開かれた。
 斉藤忠男・組合執行委員長は、あいさつで「憲法九条と教育基本法を変える動きが急ピッチで進んでいるが、むしろ九条と教育基本法をいかに守り、生かすかを考えるべき」と述べた。
 東京大教授で「九条の会」事務局長の小森陽一氏が「私と憲法・教育基本法」と題し講演した。小森氏は憲法と教育基本法に使われる「希求」という言葉を取り上げ、「『希求』に注目して憲法を読み直してみると、戦争で死んだ者に対する、生き残った者の倫理感がにじみ出ている」と指摘。「九条は一国平和主義だというのは大ウソだ。国連憲章のままでは本当の平和は訪れないという警告が、希求という言葉から見えてくる」と語った。
 講演後、「白いブランコ」などで知られるビリーバンバンのコンサートも行われた。[埼玉新聞 2005年11月5日]

若い力で護憲運動進めよう 県内の学生ら、「九条守る会」設立

 十代、二十代の若い世代で護憲運動を進めるため、徳島県内の七人が憲法九条を守る会「9Re:8(クリエイト)」(加戸真実子代表)を結成した。合言葉は「今後の日本を担う若者で平和を守ろう」。PR活動を通じてカンパを集めたり会員を増やしたりして護憲運動の輪を広げる。来年夏には九条の大切さを訴えるコンサートも企画。共感が集まるか期待と不安を抱きながら取り組みを続けている。
 会のメンバーは、加戸代表(24)=徳島市北沖洲二、事務員=ら全員十、二十代の会社員や大学生、大学院生ら。政治とのかかわりの希薄さを不安に思った加戸代表が、知人らを通じて他のメンバーと話し合いを続け、十月十七日に結成した。今後を担う世代の代表として、政治や平和問題への無関心層を一人でも減らすことを考えたという。
 今、国民の最大の関心事は改憲問題。七人は憲法の学習を続けるうちに「改憲すれば平和は守られない」との結論に到達した。三日から活動を本格化させ、市文化センターで開かれた「九条の会徳島」の設立総会に飛び入り参加して会をPRしたり、ホームページ(HP)を設けたりして会員募集に取り組んでいる。
 当面の目標は、護憲・平和のメッセージを伝えるコンサートの開催。来年夏に開催予定で、今後、県内のイベントなどでカンパを集めていく。
 加戸代表は「先の衆院選で会員の半数が投票していなかった。『自分で何も考えない若者が増えるとヤバイ』とみんなで思い活動に目覚めた。頑張って続けたい」と話している。
 同会HPのアドレスはhttp://9re8.net/index.html[徳島新聞 2005/11/05]

憲法守れ 「9条の会」を今治でも結成
[愛媛新聞 2005/11/04(金) ]

 憲法9条を守り、憲法改定を許さないことを目的に、今治市民の有志が3日、「9条の会・今治」を結成した。今後は2、3カ月に1回程度、学習会や戦争体験を聞く会を開き、世論に訴えていく方針。
 同会は、大江健三郎さんらによる「9条の会」アピールを受け、今年7月に呼び掛け人49人で準備会を結成。その後呼び掛け人を76人にまで増やし、同日の正式発足となった。
 今治市別宮町1丁目の市民会館で開かれた結成総会には、市民ら約150人が出席。会則や初年度の活動方針を了承し、代表幹事5人や事務局員らを選任した。
 代表幹事の藤田敏博さん(藤田医院院長)は「1人でも2人でもいい。近くの人に憲法9条を守ろうと声をかけてもらいたい」とあいさつした。

大田でも「9条の会」/島根県

 平和憲法を守ろうと呼びかける大田市民のグループ「大田・9条の会」が3日、同市大田町の大田商工会館で発足集会を開いた。作家の大江健三郎氏らが04年に護憲を訴えて結成した「9条の会」の運動に呼応した。
 「9条の会」は大江さんと、作家の井上ひさしさん、哲学者の鶴見俊輔さんら9人が結成、改憲反対のアピールをした。全国で賛同の署名活動が広がった。県内でも今年3月ごろから始まり、大田市の会結成も10月に決まった。
 発足集会には住職、教職員、元市議ら市民約70人が参加した。事務局長に元小学校教諭の福田隆昌さん(63)を選んだ。署名活動を始めるほか、講演会も開く予定。
 藤田達朗・島根大教授の「戦争する国へ戸口に立つ日本」と題した講演もあった。自民党が10月に決めた「党新憲法草案」で「自衛軍」が、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動ができる、と定めた点を指摘。「この活動は米英のイラク戦争そのものだ。草案は、米軍の軍事活動を自衛隊が軍として協力することを表明することを目指した」と訴えた。
 問い合わせは福田さんへ。[asahi.com:マイタウン島根 2005/11/04]

「新憲法草案に集団的先制攻撃」/前田朗東京造形大教授憲法9条の危機を訴え

 九条の会やえやまは3日午後、石垣市健康福祉センターで「平和憲法講演会」を開き、東京造形大学の前田朗教授が「憲法九条と無防備地域宣言」をテーマに講演した。
 前田氏は、自民党の新憲法草案について「集団的自衛権ではなく、集団的先制攻撃が盛り込まれた」と述べ、同案に対するメディアの批判の甘さを指摘しながら、「憲法九条を支える社会の意識が危機にある」と訴えた。
 そのうえで、「憲法九条を生かす運動」の一つとして、無防備地域宣言に向けた取り組みを取り上げ、「平和の条例をつくろうと、市民が市民に呼びかけることに意義がある。これによって社会の平和意識や自治体の平和力を取り戻すという取り組みだ」と話した。
 「国民保護法があるから(自治体の)無防備地域宣言は必要ない」との意見があることに対しては「武力攻撃事態になれば、自衛隊は住民を保護している暇はない。地方自治体こそ、無防備地域宣言をすべきだ」と反論した。[八重山毎日新聞 2005-11-04]

憲法公布59年各地で集会 揺らぐ護憲に危機感 自民草案に批判相次ぐ

 日本国憲法の公布から五十九年を迎えた「文化の日」の三日、九州各地で憲法改正問題を考える集会が開かれた。九月の衆院選で圧勝した自民党が「新憲法草案」をまとめたのに続き、最大野党の民主党も党の基本見解となる「憲法提言」を発表した。改憲への流れが本格化する中、護憲派の参加者らは「今こそ平和の理念を掲げよう」と危機感をにじませた。
 「子どもたちに人殺しをさせる社会を渡していいのか。体を張って九条を守っていこう」。鹿児島市内で開かれた学習講演会で、作家や学者らでつくる「九条の会」(事務局・東京)の小森陽一事務局長(東京大教授)がこう呼び掛けると、座席を追加するほどの人で埋まった会場から拍手がわき起こった。
 自民党草案では、戦争放棄を定めた九条一項を維持する一方で、戦力不保持を掲げた同二項を全面的に改め、「自衛軍の保持」を明記した。
 長崎市内の集会では、東京大大学院の高橋哲哉教授が「戦争ができる国と、それを下支えする国民精神づくりを狙っている」と同草案を批判。長崎県内十二の「九条の会」の活動報告でも、「過去の歴史に正面から向き合うべきだ」「(二度と)被爆者をつくってはならない」と、改憲へと傾く世論への警戒感が強くにじんだ。
 「憲法改正について議論する前に、まずは憲法全文をしっかりと読んでほしい。特に若い人の中には読んだことのない人が多く、将来に不安を感じる」と訴えたのは、北九州市若松区で講演した作家で翻訳家の池田香代子さん。池田さんは「九条改正は(個人の尊重をうたった同一三条など)ほかの条項にも影響を及ぼす」と、なし崩し的に改憲論議が進むことへの不安も指摘した。
 福岡市中央区の公園で開かれた「憲法フェスタ」では、若者らがリレー方式で平和の大切さを訴えた。西南大二年の宮崎雄士さん(20)=同市早良区=は「日本が戦争をできる国になれば、戦場に行くのは若者。大学から護憲を広げたい」。講演した斎藤文男・九州大名誉教授(憲法)は、自民党草案に知る権利などの新しい人権が盛り込まれていることについて「九条改正という毒薬を飲ませるためのシュガーコート(糖衣)にすぎない」と指摘した。
 会場となった公園内では、憲法九条の条文をプリントしたTシャツを着た若者たちが運営に当たる一方、中年のスタッフが、首相の靖国神社参拝や憲法改正に賛成する通りすがりの若者と議論を交わす姿も見られた。[西日本新聞 2005年11月4日 02:08]

憲法フェスタ:「平和憲法」を大切に! 市民がトーク、ミニ演奏会――中央区/福岡

 憲法を知り、9条を守ろうという「憲法フェスタ in 天神」が3日、中央区の警固公園であり、市民ら約800人がトークやミニコンサートを通じて平和憲法について考えた。「『九条の会』福岡県連絡会」(代表世話人、石村善治・福岡大名誉教授)が主催。
 フェスタでは、斉藤文男・九大名誉教授は「憲法(9条)が改正されて一番喜ぶのは米国。海外で日本と共同軍事作戦ができるようになるからだ」と指摘。続けて「9条を変えることは、日本の国際的な信用を破壊することになる」と平和憲法の大切さを説いた。この後、市内の大学生や弁護士らが登壇して護憲を訴えた。
 また「フランシーヌの場合は」の大ヒットで知られる歌手、新谷のり子さんや沖縄のデュオ「すべりだい」のミニコンサートには、普段は憲法問題に関心が薄くなりがちな若者も耳を傾けていた。
 連絡会は自民党が独自の憲法草案に「自衛軍」を明確に位置づけるなど大きくなる改憲の動きに危機感を強めており「若者をはじめ、より多くの人に平和憲法の大切さを考えてほしい」とコンサートなども交えた屋外開催を企画した。【安達一成】[毎日新聞 福岡都市圏版 2005年11月04日15時05分]

お笑いぶ:憲法公布の日を記念しイベント――大垣/岐阜

 憲法公布の日を記念して、憲法をテーマにしたイベント「お笑いぶ」が3日、大垣市馬場町の市総合福祉会館で開かれた。プロ・アマの5グループが、憲法や平和にちなんだコントや落語で訪れた人たちを笑わせた。
 昨年8月に発足した「9条の会・おおがき」の主催。憲法改正に向けた動きが進む中、憲法9条や平和について楽しみながら考えてもらおうと企画した。会場には子供連れや若いカップル、中高年などさまざまな年代の約200人が訪れ、政治家を皮肉ったコントなどを楽しんだ。【秋山信一】[毎日新聞 2005年11月04日09時19分]

憲法公布日:平和憲法の重要性訴え 改憲の動きに強い危機感――各地で催し/広島

 自民党が新憲法草案を発表するなど、憲法改正の動きが強まっている。例年は3日の憲法公布日に、5月の憲法記念日のような目立った行事は少ないが、今年は危機感が高まり、県内各地で平和憲法の意義を考える催しが開かれた。
 中区基町の中央公園では、県労連や県原水協など20団体でつくる「憲法と平和を守る広島共同センター」が、改憲阻止を訴える集会を実施した。自民党が先月28日、戦力不保持を定めた9条2項を削除した新憲法草案を発表した。
 同センターの藤本幸作代表は「自民党案は、60年前の反省を踏みにじっている。自衛隊がイラクで戦争参加に至らなかったのは、9条があったから。歴史を逆戻りさせてはならない」と訴えた。参加者は「平和の願いを結集し、憲法改悪阻止のうねりを巻き起こそう」などとするアピール文を採択。集会後、市内中心部をデモ行進した。
 同区土橋町の中国新聞ホールでは、弁護士や宗教家らによる実行委員会が「11・3憲法のつどい」を開催。「九条の会」の呼びかけ人の一人で評論家の加藤周一さん(86)が講演した。
 加藤さんは、改憲論が生じた経緯として、日本が9条と再軍備化を目指す日米安保条約を併せ持つ矛盾を指摘。改憲論者が主張する憲法押し付けや国際協力論に対し、終戦直後の憲法制定時、国民の大多数は平和憲法を歓迎した▽現時点で中国や小国の北朝鮮が日米を攻撃する可能性は低い▽国際協力は軍事協力に限らない――などを挙げて反論。「改憲の理屈はぜい弱」と述べた。
 憲法を守る方法については、「改憲を目指す政府を批判し、市民が発言するしかない。教師や医者、芸術家などがそれぞれの職場で9条の重要性を広め、手を取り合っていこう」と呼びかけた。そして、「国際的にみて、広島が出す声明は特に重要」とも述べた。【田中博子】[毎日新聞 2005年11月04日14時31分]

九条の会徳島:平和原則を世界に 結成のつどいに1000人――徳島/徳島

 戦争放棄などを定めた憲法9条を守る「九条の会徳島」が3日、発足した。昨年6月にノーベル賞作家の大江健三郎さんら文化人が結成した「九条の会」に呼応。徳島市徳島町城内の市立文化センターで「結成のつどい」が開かれ、約1000人が参加した。
 冒頭で、参加者らは憲法9条の趣旨を京都や鹿児島など全国の方言などで朗読。その後、呼び掛け人の郷土史家、湯浅良幸さんが「日本の政治は右傾化が進んでいる。一人一人が今の状況を考え、憲法9条だけでも守ろうという運動を広めていかなければならない」などとあいさつし、美術家の平尾美智子さんが「私たちは今こそ日本国憲法第9条が明記する平和原則を世界に輝かせるときと考えます」などと徳島アピールを読み上げた。
 同会は今後、憲法9条に賛同する署名を集めるほか、講演会や勉強会なども行っていくという。
 参加した同市山城町、主婦、高峰晴子さん(64)は「戦争は二度とあってはならない。このまま改憲が通ってしまったら怖い」と話していた。【小野沢健一】[毎日新聞 2005年11月04日13時01分]

憲法9条:県民のつどい、3000人が参加――名古屋市公会堂/愛知
 ◇各団体の活動をパネル展示 ◇朗読グループが憲法群読

 現憲法の公布から年目を迎える3日、「憲法九条を守ろう 県民のつどい」が名古屋市昭和区の市公会堂で開かれた。「平和憲法を守る」を目的に今年1月設立された市民団体「あいち九条の会」などの主催で、約3000人が参加した。
 県内の朗読グループ25人が憲法を「群読」した後、キリスト教牧師や元校長、元自民党市議らがリレートークを行い、戦争体験や、平和大国という日本の長所、同党が先月公表した新憲法草案への懸念などを語った。全盲の同市東区、主婦、寺西美予さん(36)は「戦争になると、まずお荷物扱いされるのが障害者」と危機感を訴えた。
 私立聖霊高3年生の中川智世さん(18)、井門絢子さん(18)は9月末の文化祭で発表した創作劇の一部を上演。国民投票法制定をきっかけに憲法が改正され、日本が戦争当事国になるという近未来を描き、「敗戦国、被爆国の日本はどこよりも、戦争のむなしさを知っているはずじゃなかったのか」との主人公の叫びに、会場から大きな拍手が起きた。
 井門さんは「今の中高生も数年後には選挙権を持つ。一番選んではならない選択肢は、何も選ばないこと。政治に関心を持ち、本当に選ぶべきは何か考えていきたい」と話していた。
 会場には、日進市や東海市、東三河など県内各地で次々と結成された「九条の会」の活動を紹介するパネルも展示。あいちの会事務局によると、総数160団体を超えるという。「あいち女性九条の会」発足の集いが26日午後1時半から、名古屋市中区大井町の市女性会館で開かれるほか、12月7日に「愛知宗教者九条の会」、同8日に「中村九条の会」(名古屋市中村区)など、今後も相次ぐ発足が予定されている。【山田大輔】[毎日新聞 2005年11月04日09時20分]

新憲法草案反対、小森教授が講演

 自民党が憲法9条改正を含む新憲法草案を決定したのを受け、改正に反対する「かごしま九条の会」は3日、鹿児島市で学習会を開いた。約400人を前に「九条の会」(東京)事務局長で、東大教授の小森陽一さん(日本近代文学)が「言葉のイメージだけで判断せずに、体を張ってでも改正させないようにしよう」と呼びかけた。
 小森さんは、自民が草案に「新」をつけたことに「新と旧で二者択一を迫る手法は郵政民営化と同じ。中身に触れずに一括して議論するのはおかしい」と批判。9条2項を削除したうえで、自衛隊ではなく「自衛軍」と明記したことに「隊と軍では全く意味が違ってくる。9条があることで、世界第2の軍事力を抑止できたことを忘れてはならない」と話した。[asahi.com:マイタウン鹿児島 2005/11/4]

「諏訪9条の輪」発足へ 改憲反対の諏訪地方団体

 改憲に反対し、憲法九条を守ろうと取り組む諏訪地方の市民団体が連携し、交流組織「諏訪9条の輪」を立ち上げることになった。発足の集いを16日、茅野市民館で開く。改憲の動きが強まる中、情報交換や交流を通じ、九条を守る運動を広げていく狙いだ。
 これまでに岡谷九条の会や諏訪地方憲法集会を成功させる会など19団体が賛同。今後、半年ごと持ち回りで幹事を担当し、各団体が発行している情報紙の交換やインターネットのメーリングリストによる情報交換を行っていく計画だ。
 関係者によると、各団体ではそれぞれ自主性を尊重しつつも「他の団体がどんなことをしているのか知りたい」といった意見があり、「横のつながりが必要」との認識で一致。先月から代表者による準備会を重ね、緩やかな交流を目的としたネットワークを立ち上げることを確認した。
 16日は各団体の紹介などに続き、作家の大江健三郎さんや哲学者の梅原猛さんら9人が結成した「九条の会」事務局長で東大教授の小森陽一さんの講演会「憲法9条、いまこそ旬」を開く。時間は午後7―9時。チケットは500円。
 1日に諏訪市内で記者会見した関係者は「これから数年間が歴史をつくる戦いになる」と指摘。「潜在的には改憲に反対している人たちが相当数いる。そうした人たちを掘り起こし、広範な参加による運動につなげていきたい」と多くの参加を呼び掛けている。
 問い合わせは当番幹事の岡谷九条の会事務局長の中野裕剛さん(電話0266・28・9230)へ。[長野日報 更新:2005-11-4 0:00]

「みえヤング九条」の会発足 県内の大学生ら

 未来を担う若者の立場から憲法について考えようと、県内の大学生らが「みえヤング九条の会」を結成し、三日に津市で開かれた「みえ九条の会」でお披露目された。略して“ヤン9”のメンバーたちは「若い人たちにたくさん参加してほしい」と呼び掛けている。
 発足のきっかけは、みえ九条の会が九月に開いた作家澤地久枝さんの講演会。準備に携わった三重大生五、六人が「平和のため、もっと若者が主体となって活動できる場を」と意気投合した。
 中心メンバーの一人、三重大三年の小那覇和歌子さん(21)は沖縄県出身で、実家は米軍のヘリポート建設に揺れる辺野古の近く。「沖縄だけなく、平和についてもっと多くの人に考えてほしい」と訴える。
 現在は県内の大学生や短大生十七人が所属。この日は九人が会場を訪れ、みえ九条の会の“先輩”たちを前に「応援よろしくお願いします」とあいさつ。会場からは「頑張って」などと拍手が送られた。
 本格的な活動はこれから。今後は講師を招いて勉強会を開き、九条だけでなく憲法全体について意見交換するという。(川合 道子)[中日新聞 2005/11/04]

憲法公布59年各地で集会 揺らぐ護憲に危機感 自民草案に批判相次ぐ

 日本国憲法の公布から五十九年を迎えた「文化の日」の三日、九州各地で憲法改正問題を考える集会が開かれた。九月の衆院選で圧勝した自民党が「新憲法草案」をまとめたのに続き、最大野党の民主党も党の基本見解となる「憲法提言」を発表した。改憲への流れが本格化する中、護憲派の参加者らは「今こそ平和の理念を掲げよう」と危機感をにじませた。
 「子どもたちに人殺しをさせる社会を渡していいのか。体を張って九条を守っていこう」。鹿児島市内で開かれた学習講演会で、作家や学者らでつくる「九条の会」(事務局・東京)の小森陽一事務局長(東京大教授)がこう呼び掛けると、座席を追加するほどの人で埋まった会場から拍手がわき起こった。
 自民党草案では、戦争放棄を定めた九条一項を維持する一方で、戦力不保持を掲げた同二項を全面的に改め、「自衛軍の保持」を明記した。
 長崎市内の集会では、東京大大学院の高橋哲哉教授が「戦争ができる国と、それを下支えする国民精神づくりを狙っている」と同草案を批判。長崎県内十二の「九条の会」の活動報告でも、「過去の歴史に正面から向き合うべきだ」「(二度と)被爆者をつくってはならない」と、改憲へと傾く世論への警戒感が強くにじんだ。
 「憲法改正について議論する前に、まずは憲法全文をしっかりと読んでほしい。特に若い人の中には読んだことのない人が多く、将来に不安を感じる」と訴えたのは、北九州市若松区で講演した作家で翻訳家の池田香代子さん。池田さんは「九条改正は(個人の尊重をうたった同一三条など)ほかの条項にも影響を及ぼす」と、なし崩し的に改憲論議が進むことへの不安も指摘した。
 福岡市中央区の公園で開かれた「憲法フェスタ」では、若者らがリレー方式で平和の大切さを訴えた。西南大二年の宮崎雄士さん(20)=同市早良区=は「日本が戦争をできる国になれば、戦場に行くのは若者。大学から護憲を広げたい」。講演した斎藤文男・九州大名誉教授(憲法)は、自民党草案に知る権利などの新しい人権が盛り込まれていることについて「九条改正という毒薬を飲ませるためのシュガーコート(糖衣)にすぎない」と指摘した。
 会場となった公園内では、憲法九条の条文をプリントしたTシャツを着た若者たちが運営に当たる一方、中年のスタッフが、首相の靖国神社参拝や憲法改正に賛成する通りすがりの若者と議論を交わす姿も見られた。[西日本新聞 11月4日2時13分更新]

「改憲は合理的ではない」 加藤周一さんが講演

 憲法改正の動きを受け、作家大江健三郎さんらとともに護憲を掲げる「九条の会」を結成した評論家加藤周一さん(86)が3日、広島市中区の中国新聞社ホールで講演し「改憲を進める理屈は合理的ではない」と訴えた。
 加藤さんは国際協力を理由に9条を改めようとする動きに触れ「協力と言えば軍事力というのは、条件反射にしかすぎない。世界の現実を見れば、エイズや南北問題などできることはいくらでもある」と批判。
 「広島は日本の象徴。(核兵器廃絶や9条をめぐり)戦いに負けることもあるが、負けても意味はある」と呼び掛け、積極的な発言を促した。[共同通信 11月3日17時26分更新]

九条かながわの会 発足/多彩な呼びかけ人 つどいに630人

 神奈川県で二日、戦争と戦力の保持を禁止した日本国憲法九条を守ろうと呼びかけた「九条の会」のアピールに賛同する、幅広い団体や個人の情報交換、交流の場として「九条かながわの会」が発足しました。
 横浜市内で開かれた同会発足のつどいには、約六百三十人が参加し、九条を守る一点で手をつなぎ、「改憲」阻止のために取り組みを進めようと申し合わせました。
 同会は、二月に神奈川で開かれた「『九条の会』をきく県民のつどい」の成功を受け、関係者が相談会を重ね、すでに取り組みを進めている地域や職場などの「九条の会」やその他の運動団体、さまざまな集まりの情報交換、交流の場としてつくられました。
 呼びかけ人として、内橋克人(経済評論家)、永六輔(作家・放送タレント)、小山内美江子(脚本家)、清水鳩子(主婦連参与)、山崎洋子(作家)、岡野加穂留(明治大学元学長)、ジェームス三木(脚本家)、本間愼(フェリス女学院大学学長)、森村誠一(作家)の各氏など多彩な十八氏が名を連ねています。
 呼びかけ人を代表して、ジェームス三木氏が、「日本国憲法の前文は、世界に対するあいさつです。日本は、戦争しません、軍隊を持ちません、それは世界中のみなさんを信頼しているからですと。それを裏切れば、世界の信頼を失ってしまう」とあいさつしました。
 事務局の岡田尚弁護士から、結成までの経過や方針案などが報告・提案され、情報の共有や運動の連携をおこなうことなどを決めました。
 日本共産党の大森猛前衆院議員、畑野君枝前参院議員、各地方議員も参加しました。[しんぶん赤旗 2005年11月03日11時37分]

九条の会徳島を結成

 今の憲法の改正に反対する人たちが、きょう、「九条の会徳島」を結成しました。九条を方言で朗読するユニークな試みも披露されました。

阿波弁Ver.
 「戦争は二度とせえへんのじゃけん陸軍海軍空軍や核もミサイルももたんと決めとんよ。なんぼアホと言われても生きとらなソンソン?」

 憲法九条を守る動きは作家の井上ひさしさんら著名人の呼びかけで去年始まりました。すでに全国で3000、県内でも10を超えるグループが誕生しています。きょう結成された九条の会徳島は国連婦人会の三木睦子元首相夫人ら28人が呼びかけ人となっています。会では思想や立場をこえて平和憲法を守る輪を広げていこうと様々なイベントを計画していてきょうは出版社が企画した九条を各地の方言や若者言葉で朗読する試みが紹介されました。

江戸べらんめえVer.
 「もめるたんびにドンパチやってたんじゃあ命がいくつあってもたんねえぞ」
福島弁Ver.
 「いくさできちまうようなおっかねえ武器だの軍隊だのこんりんざいごめんこうむるつって」
祇園言葉Ver.
 「どこぞの国がいけずな事しはったかてどないな事あっても鉄砲もってわやくちゃしたり絶対せやしまへん」
学生言葉Ver.
 「もう絶対に日本は戦争しないってのを決めたわけなんじゃん。でさ戦争できないように武器とか軍隊とか最初から持たない。だって武器もってなきゃ戦争できないじゃんこれ常識」
薩摩弁Ver.
 「世界中の方々と仲良くよかどしが一番我が国が栄えるこっちゃしと」

 会では県民の過半数を目標に、九条に賛同する署名を集める予定でそのための世話人の募集を行います。 [四国放送 2005/11/03]

「九条かながわの会」きょう発足の集い

 憲法9条を守ろうと、タレントの永六輔さんや東大名誉教授の小林直樹さん、作家の山崎洋子さん、脚本家のジェームス三木さんらが呼びかけ人となった「九条かながわの会」が2日、横浜市神奈川区の神奈川公会堂で発足の集いを開く。県内には職場や地域単位の「九条の会」が約200あり、こうした団体間の交流や情報交換の場にするのが目的という。
 ホームページやメールマガジンなどで情報提供を進めるほか、学習会などに講師を派遣する。事務局の岡田尚弁護士は「憲法9条を守るという一点で多くの人と手を携えて活動する拠点にしたい。若い世代に平和憲法を知ってもらうための取り組みも進めていく」と話している。
 集いではジェームス三木さんらがあいさつする。午後6時半開会、参加無料。問い合わせは事務局へ。[asahi.com マイタウン神奈川 2005/11/2]

わかまつ九条の会:結成、3日に記念の市民集会/福岡

 ノーベル賞作家の大江健三郎さんや劇作家の井上ひさしさんらが昨年発足させた「九条の会」の呼びかけに応え、「わかまつ九条の会」が結成された。3日に結成記念の市民集会を若松市民会館で開く。
 ベストセラー「世界がもし100人の村だったら」を翻訳した池田香代子さんが「100人の村からのメッセージ」と題して講演するほか、憲法誕生時のエピソードを紹介する劇、宗教者や市民の意見発表がある。
 午後2時から同市民会館大ホールで。無料。問い合わせはわかまつ九条の会093・771・5878まで。[毎日新聞 北九州版 11月1日朝刊 11月1日17時35分更新]

戦争体験や活動など報告

 戦争放棄をうたう憲法9条を守ろうと昨年末に発足した「こうち九条の会」(栗原透さん筆頭代表)は、3日午後1時から高知市本町3丁目の高新文化ホールで講演会と全県交流集会を開く。高知弁護士会元会長で日弁連副会長も務めた土田嘉平弁護士の基調講演「総選挙後の動きと九条の会の役割」に続き、戦争体験やこれまでの活動などの報告がある。
 同会は、9条改憲を阻止する運動を発展させようと、政党や思想、信条を問わない幅広い運動を掲げて昨年12月に発足。県内各地で29団体(3日現在)が加盟。当日は基調講演に続き、所谷孝夫・元県農協中央会長や矢野川俊喜・元土佐清水市長が戦争体験や9条への思いを話す。各団体が運動を広げる取り組みなどを紹介する。無料。
 問い合わせはこうち九条の会事務局へ。[asahi.com 2005/11/1]

阿波弁で9条を 3日「九条の会」で朗読

 戦争放棄をうたい、平和憲法の要とされる9条を慣れ親しんだ「お国言葉」で表現し、その精神と理念を多くの人に理解してもらおうという取り組みが県内でも進んでいる。徳島ペンクラブ理事の岸積さん(71)と元参院議員で女性団体代表の乾晴美さん(71)が協力して阿波弁の条文をつくった。3日、徳島市内での「九条の会徳島・結成のつどい」で披露される。(小椋文智)
 政府がどこぞよそと戦争するってたっすいこと言うても うちや国民はこんりんざい認めんけんな
 阿波弁で表現した憲法9条の第2項だ。乾さんが、岸さんから受け取った「翻訳案」をもとに考えた。3日には、これをみんなの前で朗読する。何度も練習し、すでに暗唱できるほどだという。「感情を込め、心の中にスーッと入って行くように読み上げたい」と乾さん。
 当日、活動に賛同してくれた朗読サークルのメンバーたちが、他の地方の方言による条文も読み上げる。
 きっかけは、6月にあった「九条の会徳島」世話人らの打ち合わせだった。「堅苦しくなく、若い世代にも親しみのあるセレモニーを」という声が上がり、「方言で憲法9条を朗読しては」という岸さんの提案に全員が賛成し、県内での活動が始まった。
 全国的にはすでにこうした取り組みがあり、「全国お郷ことば・憲法9条」(合同出版)などの本も出ている。この本の付録のCDも参考に、福島弁や京都の祇園言葉、薩摩弁など五つの方言と阿波弁で朗読することになった。
 いくつもの表現で書き直された9条を読み比べ、「どの言葉で表現しても『国家権力の暴走は許さない』という庶民の意志が表れている」と、岸さんは気付いた。憲法の根幹の姿が浮かび上がってくるように感じたという。「国民ではなく、政府の行動を縛り規制するという、立憲主義の精神を9条は象徴している」
 11歳で終戦を迎えた岸さん。徳島大空襲では転がる死体の中を逃げまどった。「軍隊なんて役に立たない」と感じた。現憲法ができた時は「これで灯火管制はもうない。寝間着でゆっくり寝られる」と喜んだ。「9条は米国の押しつけという人もいるが、自分にとっては解放だった。こんな実感を伝えられる最後の世代だから、しっかり伝えたい」と願いを込めている。 [asahi.com 200511/1]

田浪 政博さん(67) 永井隆著『この子を残して』を復刊

 長崎医科大(現長崎大医学部)で勤務中に被爆して重傷を負いながら、被爆者の救護活動を続けた医師永井隆博士(1908?51年)。その著書「この子を残して」の初版本を、戦後60年にあたる今年の夏、復刻出版した。
 代表作に「長崎の鐘」がある博士は、もともと放射線医学の専門家。白血病に加え、被爆による後遺症と闘った死の床で、幼いわが子への思いや被爆体験などを「この子を残して」につづった。復刻のきっかけは、平和への願いだった。
 今年2月、北海道や東北を一人旅した際、手にしていた本の中に、博士の作品に触れたくだりを見つけた。30年以上前、神田の古本屋で「この子を残して」の初版本(1948年、講談社発行)を買ったときのことを思い出していた。
 それから約4カ月後、自宅の書庫で別の本を探していて偶然、目に入った「この子を残して」を持ち出し、読み返してみた。「購入当時に読んだのとは異なる鮮烈な感動が襲った」
 講談社版は既に絶版、別の出版社から文庫本が出ているが、書店で見かけることはほとんどなかった。こうした状況に「戦争や原爆の体験が年を追うごとに失われつつある中で、この本にもう一度光を当てよう」と心に決めた。講談社や博士の親類を訪ね歩き、復刻の承諾を得た。
 その思いには、自身の戦争体験も重なっていた。6歳のとき、当時暮らしていた台東区で東京大空襲に遭い、逃げまどった。家財を失い、栃木県栃木市の親類宅に疎開。わずか10カ月の期間だったが「終戦を境にがらりと変わった教育内容や、進駐軍の米兵と初めてすれ違った時の恐怖など、今でも鮮明に思い出す」。父は戦死。東京に戻ってからも、混乱や食料不足が待っていた。
 東村山市のJR武蔵野線新秋津駅近くで1976年にラーメン店を始め、人気店に育て上げた。開店10周年記念として、文部省(当時)が編集した中学生用の副読本「あたらしい憲法のはなし」を復刻。また、同世代の39人の戦争体験などをまとめた「最後の国民学校生 50年の記録」も出版した。すべて「平和に対する共通の願い」を込めている。
 ラーメン店は昨年、弟子に引き継ぎ、引退した。「東村山九条の会」の運営委員や、環境問題に取り組む特定非営利活動法人(NPO法人)の代表も務める。「そういう役をやる人がなかなかいないから」。控えめに受け止めながらも、世の中のさまざまな課題について、問いかけ続けている。[中日新聞 2005/10/30]

自民・新憲法草案発表 市民ら改憲反対訴え

 自民党が新憲法草案を発表した28日夕、金沢市内では市民グループが抗議のビラを配布したり、記者会見を開くなどして「改憲反対」を訴えた。
 香林坊交差点では、午後5時半から約1時間、県平和運動センターや社民党県連合などでつくる「県憲法を守る会」の約10人が、「私たちは改憲NO!」などと書かれたビラを、帰宅途中のサラリーマンや学生らに配った。受け取った同市内の幼稚園教諭の女性(50)は「憲法を作った当時と今とでは社会の状況が変わっている。けれど、憲法を変えなかったから今の平和もあると思う。難しいですね」と話した。
 一方、大手町の事務所での会見には、「九条の会・石川ネット」の呼び掛け人の岩淵正明弁護士、莇昭三医師ら約10人が出席。「自衛軍」と明記し軍隊を公認していることや、集団的自衛権の行使、海外派兵を実質的に認めている点などに抗議する、とした。また、第2章の表題が「戦争の放棄」から、草案では「安全保障」と変更された点について「軍隊では平和はもたらされないという発想から、軍事力で紛争を解決しようと百八十度転換するものだ」と指摘した。[asahi.com:マイタウン石川 2005/10/30]

作成者: GAKU

年齢:50代 性別:男 都道府県:東京都(元関西人) 趣味:映画、クラシック音楽、あとはひたすら読書

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