古賀・遺族会会長、あらためてA級戦犯「分祀」を唱える

日本遺族会の会長でもある自民党の古賀誠選対委員長が、あらためてA級戦犯の「分祀」が必要ではないかとの考えを示した。

分祀の必要性 古賀氏が強調 「靖国」のA級戦犯(東京新聞)
A級戦犯分祀必要性を強調 古賀氏、講演で(北海道新聞)
古賀氏、A級戦犯の分祀に期待示す(TBS News-i)

前にも書いたとおり、靖国参拝問題の根源は、「あの戦争は自衛のために余儀なくされた戦争、アジア解放の正義の戦争だった」とする靖国神社の特異な戦争観・歴史観にあるのであって、A級戦犯の「分祀」によって問題が解決する訳ではありません。「分祀」論の狙いが天皇や首相のの靖国公式参拝にあることは明らかですが、神社が「分祀」不可能を繰り返し主張しているにもかかわらず、「分祀」論がこのように根強く出され続けること自体は、「靖国史観」派の矛盾の現われだということができます。

分祀の必要性 古賀氏が強調 「靖国」のA級戦犯
[東京新聞 2007年10月7日 朝刊]

 日本遺族会会長を務める自民党の古賀誠選対委員長は六日、津市で開かれた三重県遺族会の会合で講演し、靖国神社の在り方について「A級戦犯だけに(戦争)責任があるとは決して言わないが、多くの戦没者の遺族を出してしまった。国の時の指導者に責任をとってもらうのは一つの考え方だ」と、同神社にまつられているA級戦犯を分祀(ぶんし)する必要性をあらためて強調した。
 古賀氏は、その理由を「靖国神社が戦没者追悼の唯一の施設であることを基本にして、天皇陛下も含め、すべての国民がわだかまりなく、参拝できる施設にしたい」と説明した。
 日本遺族会は今年五月から、靖国神社の在り方に関する勉強会を始めており、古賀氏は「分祀を含めて勉強会をしている」と述べ、分祀を認める方向で議論が進むことに期待感を示した。

A級戦犯分祀必要性を強調 古賀氏、講演で
[北海道新聞 10/06 13:49]

 日本遺族会の古賀誠会長(自民党選対委員長)は六日午前、津市で開かれた三重県遺族会の会合で講演し、「いま遺族会で靖国神社のA級戦犯の分祀(ぶんし)を含め勉強会をしている。国民すべてに、天皇陛下を含め、英霊の御霊にお参りできる施設として残すべきだ」と述べ、あらためて靖国神社のA級戦犯分祀の必要性を強調した。
 遺族会のA級戦犯分祀の是非を検討する勉強会は今年五月に古賀氏の音頭で結成され、初会合後休止していたが、古賀氏は福田康夫政権発足で、再度、議論を再開させたい意向を示したと見られる。
 古賀氏は講演で「先の大戦はA級戦犯だけに責任があるとは言わないがあれだけ大きな犠牲を出した。時の指導者に責任を取っていただくことは一つの考え方だ」と述べ、戦争を主導したA級戦犯の責任を指摘した。

古賀氏、A級戦犯の分祀に期待示す
[TBS News-i 2007年10月06日13:44]

 日本遺族会の会長を務める自民党の古賀選対委員長は、靖国神社に祀られているいわゆるA級戦犯の分祀に期待を示しました。
 「(先の大戦について)時の指導者の中で責任をとっていただくというのは、ある意味では私は1つの考え方ではないか、今、遺族会で靖国神社の、俗に言うA級戦犯の分祀も含めて勉強会をいたしております」(自民党、古賀誠 選対委員長)
 三重県の遺族会の行事で講演した古賀氏はこのように述べ、A級戦犯の分祀をめぐる議論の進展に期待を示しました。
 また、古賀氏は「遺族会が今のまま、総理大臣の公式参拝を、と言うだけで事足りるのか」「靖国神社を、天皇陛下も含めてすべての国民が参拝できる施設として残すべき」とも述べ、政治問題化している現状の靖国神社のあり方に不満を示しました。
 これまで古賀氏は、「遺族会の議論を見守りたい」と繰り返し述べていましたが、ここにきて「分祀」に言及することで、議論の前進を促した形です。

作成者: GAKU

年齢:50代 性別:男 都道府県:東京都(元関西人) 趣味:映画、クラシック音楽、あとはひたすら読書

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