文科省の行き当たりばったり…

文部科学省が、大学院博士課程の定員削減の方針を発表。

文部科学省はこれまで「科学技術創造立国」をめざすと言って、「大学院重点化」の名のもとに大学院の定員を増やしてきました。予算も増やして、研究条件を充実させるのであればよかったのですが、予算は増やさず定員だけ増やしたもんだから、大学院の教育・研究条件は劣悪化。博士課程を修了して就職先が見つからない、いわゆるポス・ドク問題を深刻化させただけでした。

ポス・ドクをどうするのかと思っていたら、突然、定員削減へ。「大学院重点化」はいったい何だったんでしょうか? あまりに無責任です。

大学院博士課程:定員減を 大学院重視を転換、教員養成も見直し――文科省 : 毎日新聞

大学院博士課程:定員減を 大学院重視を転換、教員養成も見直し――文科省

[毎日新聞 2009年6月6日 東京朝刊]

◇全国立大に通知

 大学院博士課程の修了者の就職難が問題化していることなどを受け、文部科学省は5日、全国の国立大学に対して、博士課程の定員削減を要請する通知を出した。これまでの大学院重視の政策を大きく転換することになる。また、少子化の進展を踏まえて教員養成系学部の定員の削減なども要請しており、現場のリーダー養成を目指して08年度に始まった教職大学院制度にも影響を与えそうだ。【加藤隆寛】

 文科省は通知で各大学が6月中に素案をまとめる10年度からの中期目標(6年間分)に反映させることを求めている。
 国立大学大学院の博士課程の定員は1万4116人(09年度)。通知では「定員未充足状況や社会需要の観点などを総合的に勘案し、教育の質確保の観点から定員・組織などを見直すよう努めること」を求めた。
 文科省はこれまで、研究拠点を大学の学部から大学院に移す「大学院重点化政策」を進めてきた。しかし、就職難への不安などから地域や分野によっては定員割れが相次いだため、政策を大きく見直すことになった。
 また、教員養成系学部については、少子化による需要減や採用数の動向などを踏まえた定員見直しを要請した。
 教員養成をめぐっては教職大学院の制度が08年度に始まったばかりだが、今回の需要減を前提とした学部定員の見直しは、こうした新しい教員養成を担う大学院制度運営のあり方などを左右するとみられる。
 さらに、新司法試験の合格率が低迷している法科大学院も見直しの対象とし他の学部などについても「必要に応じて見直すよう努めること」とした。
 文科省は通知について「一律に削減を押し付けるものではなく、各大学が身の丈に合った経営を考える契機としてほしい」としている。同省は今後、大学間で大学院を統合するなどの組織再編も含め、見直しを進める大学への財政支援の仕組みなどについて検討を進める。

法科大学院も、まったく行き当たりばったり。粗製濫造、乱立気味だったのは事実ですが、早くも定員削減に舵が切り替えられつつあります。こちらも、新司法試験制度の合格者の「就職難」が起こっています。法科大学院の定員削減だけではすみそうにありません。

法科大学院定員、700人以上削減 10年度以降 : 朝日新聞
法科大学院、志願者25%減 : 読売新聞

法科大学院定員、700人以上削減 10年度以降

[asahi.com 2009年6月1日22時43分]

 全国74の法科大学院の総定員計5765人が、2010年度から少なくとも700人減る見通しであることが法科大学院協会のまとめで分かった。65校が削減を検討、まだ具体的な削減数を決めていない大学院もあり、定員はさらに減るとみられる。
 協会が今年1?3月、全校にアンケートした。公表に同意した72校のうち、10年度以降の定員削減予定について「2割超」としたのが15校あった。うち、新潟大や鹿児島大など5校は4割以上減らすことを検討している。「2割ちょうど」も20校あった。
 また、具体数は未定だが、10年度か11年度に削減を検討している大学院も17校あり、協会は、最終的な削減数は1千人程度になるとみている。
 一方、削減予定がないとしたのは北海学園大、専修大、中央大、立教大の4校。中央大は「定員の見直しの必要はない」と回答している。
 法科大学院は、乱立による過剰な定員が新司法試験の合格率低下を招いたと指摘されている。中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)特別委員会は、教育の質の向上のために各校が定員削減を進めることを求めていた。日本弁護士連合会も総定員を4千人程度にするように提言している。
 法科大学院協会の後藤昭・常務理事は「(司法試験)合格率を全体で高める必要がある。実績をあげている学校も絶対数としては不合格者を出しており、恐らく(削減を)検討するだろう」と話した。(青池学、石川智也)

法科大学院、志願者25%減

[2009年6月6日 読売新聞]

 2009年度の法科大学院入試で、全74校の総志願者数が昨年度より25%減少し、過去最低の2万9714人だったことが5日、文部科学省のまとめで分かった。
 総志願者数が3万人を下回るのは初めて。法科大学院が一斉に開学した04年度(7万2800人)の半数以下になった。志願倍率も5.2倍と過去最低だった。
 中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の特別委員会は今年4月、各大学院が自主的な定員削減を検討すべき目安の一つとして、競争倍率が2倍に満たないことを挙げたが、これに該当する大学院は半数以上の40校に上った。最も低かったのは西南学院大の1.1倍。大東文化大、東海大、愛知学院大、大阪学院大、広島修道大の5校が1.2倍で、駿河台大、近畿大、神戸学院大の3校が1.3倍。最高は千葉大の8.5倍。これに首都大学東京の8.3倍、筑波大の5.6倍と続いた。
 5765人の総入学定員に対し、実際の総入学者数は4844人。法科大学院協会が今年3月末現在で行った調査によると、10年度入試で47校が計700人の削減を決めている。

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