“密約は「有効ではない」。しかし、適切・迅速に対応します”では密約を公然と認めただけではないか?

岡田外相が、沖縄への緊急時核持ち込みを認めた1972年の「核密約」と朝鮮半島有事のさいの「事前協議抜き」の自由出撃を認めた「朝鮮有事密約」について、「現在は有効ではない」と表明し、アメリカ側もそれを認めていたことを公表。

しかし同時に、緊急事態のさいの「事前協議」について、「適切かつ迅速に対応する」(米側が「事前協議」で日本からの出撃を申し出れば、すぐにOKする)と、米政府に伝えたという。事前協議を申し入れれば「適切かつ迅速に対応」してくれるなら、確かに「密約」は不要だろう。「密約」が公然たる政府間了解になっただけのことなのだから。

沖縄への核密約「有効ではない」米も確認 岡田外相公表:朝日新聞
事前協議に「迅速対応」=半島有事で米と確認 – 政府:時事通信

沖縄への核密約「有効ではない」米も確認 岡田外相公表

[asahi.com 2010年6月15日21時16分]

 岡田克也外相は15日、1972年の沖縄返還時に佐藤栄作首相とニクソン米大統領(いずれも当時)が交わした、緊急時に沖縄への核兵器再持ち込みを認める密約について、米政府も「今は有効ではない」との立場をとっていると発表した。3月に外務省の調査と有識者委員会の検証の報告書を発表した際、米側に確認したという。
 岡田氏は記者会見で、日本側の見解として(1)首脳同士だけで外交当局が関与していない(2)政府の中で引き継がれていない――との2つの理由から「日本政府は今この密約は有効ではないと考えている」と改めて説明。その上で、米側も同じ見解だと強調した。
 一方、朝鮮半島有事の際に在日米軍が事前協議なしに自由出撃できるとの密約についても、米政府との間で「そういったものは(今は)ない」と確認。今後、有事の際には、日本政府は「事前協議に適切かつ迅速に対応する」と米側に伝えたことも明らかにした。

事前協議に「迅速対応」=半島有事で米と確認 – 政府

[時事通信 2010/06/15-20:09]

 岡田克也外相は15日の記者会見で、朝鮮半島有事の際に米軍が在日米軍基地から出撃する場合、米側が事前協議を申し出れば日本側が「適切かつ迅速に対応する」と日米両政府で確認していたことを明らかにした。半島有事で事前協議なしの自由出撃を認めた1960年の「密約」が、民主党政権下で公となったことを受け、日米両政府で半島有事の際の対応を明確にした。
 朝鮮半島有事の際の密約をめぐっては、佐藤栄作首相(当時)が69年に訪米した際、密約の解消を意図して「事前協議に対し前向きに、かつ速やかに態度を決定する」と表明。事前協議の申し出があれば、受け入れる前提で対処する方針を打ち出した。
 ただ、「米側が同調しているか明らかではなかった」(岡田外相)ことから、3月の密約に関する報告書の公表に先立って、日米両政府は半島有事密約は無効であることを確認。事前協議制度に基づき米側が出撃を求めれば、日本側が「適切かつ迅速」に対処することとした。同盟関係に影響が出かねない密約解明を進めた民主党政権への米側の疑念を払しょくする狙いもあったとみられる。 
 「適切かつ迅速」の意味について外相は、「ニュートラルだ。今までは『前向き』だったが、そういう表現ではない」と述べ、佐藤氏とは一線を画し、拒む場合もあり得ることを示唆した。
 一方、外相は、有事の際に沖縄での核再配備を遅滞なく認めるとした、佐藤氏とニクソン米大統領(当時)が交わした「合意議事録」の存在に関しても、「有効ではない」と米政府と確認したことを明らかにした。

また、この2つの「密約」について「現在は有効でない」ことを確認したということは、大本の「核密約」については「現在も有効である」ということを事実上認めたに等しい。

アメリカは、いまは核兵器の貯蔵などは、米本土でおこなうことにしているので、沖縄に核兵器を陸揚げして貯蔵する必要はない。だから、大本の「核密約」で、核兵器搭載艦船あるいは核兵器搭載航空機のトランジット(通過)が認められていれば、特段の不都合はない、ということだ。

朝鮮半島有事の際の自由出撃は、それとは多少角度の違う問題で、だから、今回、日本政府の側が「適切かつ迅速に対応する」ことを表明して、「密約」が有効でないとしても、何の不都合もないようにわざわざ確認した、というのが真相だろう。

あらためて、大本の「核密約」そのものの廃棄が切実な課題となっている。

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