朝日新聞の世論調査

今日、「朝日新聞」に世論調査の結果にかんする3つの記事が載っていました。といっても実際には1つの世論調査なんですが。呆れるのは、この世論調査の中味の無内容さ。

まず、ポスト小泉で誰が首相にふさわしいかという世論調査。「安倍氏41% 福田氏29%/先月より差縮まる」と見出しを立ててますが、そもそもの質問はこういうもの。

◆小泉さんの次の首相の有力候補として、いまの段階では、麻生太郎さん、安倍晋三さん、谷垣禎一さん、福田康夫さんらの名前があがっています。次の首相にふさわしいのは、だれだと思いますか。(択一)
 麻生 太郎     3(4)
 安倍 晋三     41(45)
 谷垣 禎一     1(3)
 福田 康夫     29(20)
 そのほかの人   5

あらかじめ名前をあげてのアンケート。たんなる人気調査じゃないですか。恥ずかしくないんですかねぇ、こんな自民党の提灯持ちみたいな調査やって。(?_?;)

ポスト小泉、安倍氏41%、福田氏29% 本社世論調査(朝日新聞)

ポスト小泉、安倍氏41%、福田氏29% 本社世論調査
[asahi.com 2006年05月23日00時16分]

 朝日新聞社が20、21の両日実施した全国世論調査(電話)によると、次の首相にふさわしい人は、安倍晋三官房長官が41%で最も多く、福田康夫元官房長官が29%で続いた。前回4月調査の安倍氏45%、福田氏20%と比べると安倍氏が減り、福田氏は急増、差は縮まった。麻生太郎外相は3%。谷垣禎一財務相は1%だった。
 有力とされる自民の4人と「そのほかの人」の五つの選択肢から挙げてもらった。
 自民支持層では安倍氏55%が福田氏26%をしのぐ。ただ、前回の安倍氏59%、福田氏16%より接近した。また、小泉内閣支持層では安倍氏52%が福田氏27%を超えたのに対し、不支持層では福田氏35%が安倍氏29%を上回ったのが目を引く。
 次の首相に力を入れてほしいことは「少子高齢化対策」が25%、「経済的な格差の是正」「景気対策」が21%、「外交の改善」「財政再建」が14%。「格差の是正」を挙げる人で安倍氏35%と福田氏30%が接近、「外交の改善」では福田氏が41%と安倍氏の32%を上回った。

で、その次は、米軍基地再編問題。ここでも、そもそも質問がピント外れです。

◆今回の米軍再編では沖縄の負担を減らすためとして、普天間飛行場の県内での移設や海兵隊のグアムへの移転などを決めました。沖縄の負担の軽減策として、今回の米軍再編をどの程度評価しますか。(択一)
 大いに評価する       7
 ある程度評価する     41
 あまり評価しない      35
 まったく評価しない     10

今回の米軍再編は、沖縄の負担軽減が焦点ではありません。世界的な米軍再編の一環として、自衛隊との一体化をすすめ、「抑止力」を高めることに一番のねらいがあるのに、これじゃあ、頭っから、沖縄の負担軽減のための米軍再編だと断定しているようなものです。

米軍再編「政府説明責任を果たさず」84% 世論調査(朝日新聞)

米軍再編「政府説明責任を果たさず」84% 世論調査
[asahi.com 2006年05月23日00時33分]

 朝日新聞社の全国世論調査(20、21日実施)で、日米両政府が今月初めに合意した在日米軍再編について聞いたところ、「政府は国民への説明責任を果たしていない」とみる人が84%に達した。日本の費用負担についても「納得できない」が77%に上り、米軍再編問題への国民の厳しい視線が浮かんだ。小泉内閣支持率は前回調査(4月)の50%から45%に下がった。不支持率は39%(前回36%)だった。
 米軍再編について政府が「説明責任を果たしている」との答えはわずか6%。内閣支持層、自民支持層でもともに10%で、8割が「そうは思わない」と否定的だ。
 費用面では、移転に伴う施設整備費を日本が負うことで合意したが、グアムでの約7千億円も日本の負担となった。これらの負担をすることに「納得できる」は17%にとどまり、「納得できない」を大きく下回った。内閣支持層でも「納得できる」が25%、「できない」が69%。米国からは3兆円との見通しが出る一方、日本政府からは数字が示されず、負担が妥当かどうか疑念が広がっているようだ。
 今回の再編では沖縄の負担の軽減が柱の一つに据えられた。沖縄の負担軽減策として評価するかどうか聞くと、「大いに」「ある程度」を合わせた「評価する」が48%、「あまり」「まったく」を合わせた「評価しない」は45%と見方が割れた。
 日本の安全保障に及ぼす影響については「プラスになる」が39%で「マイナスになる」の26%を上回った。ただ、判断を示さない「その他・答えない」が35%とかなりの割合を占めた。今月13、14日に本社が実施した沖縄県民世論調査では「プラス」31%、「マイナス」43%と否定派が多数となっていた。
 内閣支持率は、男性は前回から横ばいで49%(不支持40%)。一方、女性は前回(支持49%)より下がって42%(不支持39%)となった。また、20?40代で減少幅が大きい。政党支持率は自民が前回の38%から34%に低下、民主は前回の17%から19%に増えた。

で最後は、これだけなぜかインターネットに配信されていない教育基本法改正にかんする世論調査。「朝日新聞」は、「『国を愛する』ことや『日本を愛する』ことを教育の目標として基本法で定めることに『賛成』という人が、56%と半数を超えることが、朝日新聞の世論調査で分かった」と報じています。

しかし、この質問もナンセンス。実は、この質問の前に、「あなたは、自分に愛国心がどの程度あると思いますか}という質問があるのです。で、これには、「大いにある」28%、「ある程度ある」51%という回答。「私は愛国心があります」と答えた直後に、「愛国心」を教えることに賛成ですかと聞かれれば、多くの人が賛成だと答えるのは、ある意味、当たり前でしょう。

それに、こんどの教育基本法「改正」案の問題は、「愛国心」の問題だけではありません。学校教育の内容を政府が決めて当然だという、大変乱暴な中味も含まれているのです。それだけにまずもって調査すべきなのは、「あなたは、与党の教育基本法改正案の内容を知っていますか?」ということではないでしょうか?

なんにせよ、世論調査するなら、もうちょっとマシな調査をしてもらいたいものです。

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