マンション側が被害届取り下げる

マンションの集合ポストに議会報告を配布しただけで「住居侵入」として市議会議員が書類送検された事件。マンション管理組合が被害届を取り下げました。

マンション集合ポストに議会報告 共産市議を書類送検 「悪質性ない」管理組合、被害届撤回(読売新聞)

マンション集合ポストに議会報告 共産市議を書類送検
「悪質性ない」管理組合、被害届撤回
[2008年7月4日 読売新聞]

 国分寺市内のマンションの集合ポストに、共産党の同市議が市議団発行の議会報告を入れたところ、小金井署がこの市議を住居侵入の疑いで地検八王子支部に書類送検したことがわかった。マンション管理組合は住民の要望を受け、被害届を同署に提出したものの、「悪質性はない」として取り下げを申し入れた。集合住宅へのビラ配りを巡っては、表現の自由と、住民が平穏に暮らす権利のどちらを優先すべきか。

 送検されたのは、幸野統(おさむ)市議(27)。同署によると、幸野市議は5月18日午後5時ごろ、マンション1階玄関ホールの集合ポストに議会報告を配布するため、敷地内に侵入した疑い。
 被害届が同22日、マンション管理組合から同署に出され、6月9日、同署は書類送検した。理由について、同署は「配布物の内容は関係ない。警察としては被害届が出されたため、事実関係を確認し、手続きに沿って送検した」と説明する。
 このマンションは正面扉を入ったホールに集合ポストがあり、続いてオートロック式の自動ドアがある。集合ポスト近くにはビラ配りを禁止する張り紙があるものの、実際にはほかの政党のビラなども配布されているという。
 同党市議団によると、これまでこのマンションでトラブルになったことはなく、当日も投函(とうかん)を目撃した住民の一人から注意を受け、幸野市議は配布をやめたが、住民に納得してもらえなかったため、一緒に近くの交番へ行ったという。
 市議団の川合洋行団長は、送検に対して「議員の責務でもある議会報告活動や、住民の知る権利を侵害するものでゆゆしき事態だ」と反発、不起訴処分を求めている。

住民には賛否

 管理組合の副理事長によると、管理組合はこの住民の要望を受けて被害届を出したものの、「悪質性はない」などとして6月下旬から地検支部に相談しており、今月3日、正式に被害届の取り下げを申し入れたという。
 ただ、マンション住民の間でも様々な意見がある。男性会社員は「ビラやチラシの配布は、ゴミが増えるので迷惑。自分が目撃しても、警察に通報する」と厳しい対応に賛同する。一方、男子学生(23)は「脅迫的な内容であれば通報するけれど、そうでなければわざわざ警察に連れて行くことまではしない。内容によるのではないか」と話している。
 一橋大の阪口正二郎教授(憲法学)は「住民はビラを受け取る権利も、受け取らない権利もある。あらゆる種類のチラシやビラの配布を取り締まると、嫌がる人もいる政治的な内容のものだけが結果的に規制されることになってしまうのでは」と危惧(きぐ)している。

「ごみが増えるので迷惑」というのであれば、ポストをやめればよいのです。自分が必要とするもの以外は受け取りたくないという人は、ポストなど設けずに、配布したいものがあれば、その都度、家人を呼び出して、配っていいかどうかを尋ねてもらうようにするしかありません。それが面倒なら、多少自分の気に入らないものが投げ入れられるのであっても、ポストを設けて、自由に投函できるようにするしかありません。

その都度、配ってよいかどうか応諾を求められるのも嫌だ、ポストに勝手に投函されるのも嫌だ、という人は、ポストに投函してもよいものの一覧を張り出しておくほかないでしょう。

また、集合ポストへの投函にたいして被害届を出すのであれば、やっぱり、無断で投函されたすべてのビラ・チラシについて被害届を出すべきでしょう。特定のチラシ・ビラだけについて被害届を出すというのは、筋が通りません。また、注意を受けて配布を中止して退去した人間を相手に、住居侵入を訴えるというのも無理な話です。

作成者: GAKU

年齢:50代 性別:男 都道府県:東京都(元関西人) 趣味:映画、クラシック音楽、あとはひたすら読書

2件のコメント

  1. 「ごみが増えるので迷惑」
    というのは、あまりにも自己中心的では?
    と感じますね。

    オートロックの場合、外のポストならOKでしょう。

  2. ちぃさん

    OKなはずなのに、現実に送検された人がいるのです。それが大問題なのです。

    それから、僕は、「ゴミが増える」と思うこと自体を自己中心的だとは思いません。実際、我が家のポストにも、いろんなものが放り込まれ、僕自身、「ゴミが増える」と思って閉口しております。

    自己中心的なのは、それを理由にして、「警察に通報する」ということです。そこんところ、論理を飛躍させないでくださいね。

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