共産党・志位委員長、経団連に雇用確保を求める

雇用維持について日本経団連の田中清専務理事(手前右)に申し入れる共産党の志位委員長(左)=18日午前、東京都千代田区、筋野健太撮影(朝日新聞)

共産党の志位和夫委員長が、財界・大企業の総本山、日本経団連と初会談!! 非正規社員の大量解雇について、会員企業に対して社会的責任を果たすよう働きかけるように要請しました。

共産党、経団連と初会談 雇用維持に努力求める(朝日新聞)

共産党、経団連と初会談 雇用維持に努力求める

[asahi.com 2008年12月18日12時39分]

 共産党の志位委員長は18日午前、東京都内のホテルで日本経団連の田中清専務理事らと会談し、世界的な景気後退に伴って各企業が進める非正規社員の大量解雇を撤回し、雇用維持について最大限の努力をするよう申し入れた。「財界の総本山」と呼ばれる経団連と共産党との会談は今回が初めて。
 志位氏は「非正規社員の大量解雇が深刻な社会問題になっている。これを主導しているのが経団連の中核をなす世界的な大企業。社会的責任は重大だ。大量解雇を撤回・中止するよう会員企業に緊急に働きかけてもらいたい」と要請。志位氏によると、経団連側は「苦渋の選択だ。企業の存続が何より重要。景気の回復が雇用の安定にとって必要だ」と理解を求めたという。
 共産党は政府・与党を「大企業中心の政治」と批判する一方、雇用悪化で企業や経済団体への直接の働きかけを強めている。旧経団連には約10年前も会談を要請したが、その際は断られたという。志位氏は会談後の記者会見で「首切りを合理化する姿勢。金融危機に狼狽(ろうばい)して人切りを進めたら、日本経済は底が抜け、深刻な危機を招く。大量解雇は日本経済を破壊する行為で、景気回復も破壊する。企業の自殺行為だ」と指摘した。

日本経団連は「企業行動憲章」で、雇用について次のようにうたっています。

4.従業員の多様性、人格、個性を尊重するとともに、安全で働きやすい環境を確保し、ゆとりと豊かさを実現する。

そして、「『企業行動憲章』実行の手引き(第5版)」(2007年4月17日)(←PDFファイルが開きます)では、第4項について、次のように説明しています。いまこそ、会員企業が「従業員の雇用維持」「人間尊重の経営」をおこなうように、経済団体としての主体性を発揮していただきたいと思います。でないと、結局、「企業行動憲章」は単なるお題目になってしまいますからね。

(1)人間尊重の経営の堅持
 従来から日本企業は、人が重要な経営資源であると認識し、長期的な視点から、従業員の雇用維持、人材育成の充実、労使協調など「人間尊重の経営」を行ってきた。
 今日経済環境が激変し、また個人の価値観が多様化する時代においても、労働基準法、労働組合法、男女雇用機会均等法、安全衛生法をはじめとするさまざまな労働関連法規を遵守するとともに、人を大切にする経営を追求していくことが求められている。とりわけ、公正・公平で納得性の高い人事・処遇制度の整備を行うことが急務となっている。さらに、信頼関係を基本とした良好な労使関係を維持・発展させていくことなどが改めて課題となっている。

さらに、従業員・従業員代表との誠実な対話・協議をうたっています。

4-5 従業員と直接あるいは従業員の代表と誠実に対話、協議する。

≪基本的心構え・姿勢≫

(1)労働関係法令の遵守と建設的な協議・交渉の実践
 労働関係法令を遵守するとともに、従業員が自由に自分達の代表を選ぶ権利、および労働組合など団体の結成や使用者と団体交渉を行う権利(結社の自由と団体交渉権)をはじめとする労働基本権を尊重する。労働条件の決定などに関しては、労使双方が互いに知恵を出し合い、双方にとってよりよい結論を導き出すために、積極的かつ建設的に協議を行うように努める。

(2)労使交渉などに対する誠実対応の実践
 従業員との対話・労使協議や団体交渉においては、常に誠実を旨とする。問題が生じた場合には、その平和的解決に向け、十分な協議を行い、健全な労使関係を築くように努める。

解雇通知された非正規従業員らの労働組合についても、通告書を受け取り拒否したり、団体交渉の先延ばしをはかったりせず、ぜひとも誠実に協議するように、会員企業を指導していただきたいものです。

日本経団連:企業行動憲章 (2004-05-18)
「企業行動憲章」実行の手引き(第5版)(2007年4月17日)←PDFファイル(約1.04MB)が開きます。

【追記】
ベタ記事ですが、19日の「日経新聞」朝刊にも記事が載っています。

非正規労働者の解雇中止・撤回を 共産、経団連に申し入れ(NIKKEI NET)

非正規労働者の解雇中止・撤回を 共産、経団連に申し入れ

[NIKKEI NET 2008/12/18 22:01]

 共産党の志位和夫委員長は18日、都内で日本経団連の田中清専務理事らと会談し、非正規労働者の大量解雇の中止・撤回などを要請した。田中氏らは「意見は承った。内部の会議で伝える」と述べるにとどめた。

会談冒頭の様子と、会談後の志位委員長の記者会見の様子は、YouTubeで見ることができます。

2/18 志位委員長が日本経団連と会談 会談後の記者会見 : YouTube

「しんぶん赤旗」の報道記事と、日本経団連への申し入れ書の全文はこちら↓から。

大量解雇を中止・撤回し大企業は社会的責任を果たせ/経団連に志位委員長が要求
非正規労働者の大量解雇を中止・撤回し、大企業が社会的責任を果たすことを求める/日本経団連・御手洗会長への志位委員長の要求書(全文)

作成者: GAKU

年齢:50代 性別:男 都道府県:東京都(元関西人) 趣味:映画、クラシック音楽、あとはひたすら読書

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