ふたたび創価学会の政治活動の実態が

6月25日の「朝日新聞」の「声」欄に、「『信仰の場』で選挙活動とは」という投書がのり、創価学会の選挙活動の実態がリアルに書かれていたことは前に紹介しましたが、昨日(7月1日付)の「朝日新聞」の「声」欄には、それに関連して、ふたたび2つの投書が掲載されました。

1つは、創価学会員の男性の投書です。この男性が、この春の市議選に無所属から立候補したところ、創価学会の地元幹部が、この男性宅を「2日続けて訪れ」、「家庭指導」がおこなわれたそうです。その結果、この男性はしばらく創価学会の「座談会への参加を遠慮せざるをえなくなった」といいます。

選挙で、創価学会が推薦する公明党の候補者がいるのに、勝手に立候補するとはなにごとか!! そういう「家庭指導」が行われたと想像することは難しくありません。

この男性はまた、創価学会の座談会なるものは、本来は「仏道修行の場」であるはずなのに、「選挙が近づくと集票のために電話を何回かけたかなど報告や確認の場にもなっている。政治一色と言ってもいいぐらい」とも告発しています。そして最後に、創価学会が「支援する政党は、かつて非難した他党と手を組んでいます。二股膏薬[1]そのものです。失望しています」と結んでいます。

選挙近づくと集票の場所に
[朝日新聞 2007年7月1日付「声」欄より]

 「『信仰の場』で選挙活動とは」に同意します。数年前、弟の薦めで創価学会に入会しました。仏教哲学を自分の人生に取り入れたくて、時間の許す限り座談会に参加しています。
 私は今春、市議選に無所属で立候補しました。この選挙には学会が支援する候補者3人が出ていました。地元幹部が我が家を2日続けて訪れたのです。「家庭指導」だそうです。私はしばらく座談会への参加を遠慮せざるを得なくなりました。
 人の生き方は様々です。宗教は迷える民に道しるべを与え、まっとうな人生を歩ませてくれるものではないでしょうか。学会のメンバーは老若男女、異なる職業の人たちです。仏教理念に集う座談会は小さな仏道修行の場です。そして、学会の今日の繁栄の源だと思います。
 しかし、選挙が近づくと集票のために電話を何回かけたかなど報告や確認の場にもなっている。政治一色と言ってもいいぐらいです。そして、支援する政党は、かつて非難した他党と手を組んでいます。二股膏薬そのものです。失望しています。

これにたいしてもう1つは、創価学会員である女性の投書で、「宗教団体が政治活動をすることは、憲法上なんら問題はない」と言っています。そして、投票用紙大の紙を2枚配って、1枚には公明党が推薦する候補者の氏名を、2枚目には「公明党」と書くように言って練習したことについて、次のような弁解をしています。

 参院選だと、選挙区と比例区がある。せっかく投票に行っても間違えて逆に投票したり、名前の漢字を書き間違ったりして無効になってしまう票も多いという。投票練習はこうした無効票をなくすための取り組みである。本来は行政がやるべきであろう啓発の教育活動であり、選挙運動ではない。(朝日新聞 2007年7月1日付「声」欄より)

しかし、こんな弁解が通用すると思っているのは、恐らく創価学会員だけでしょう。啓発活動であるなら、創価学会の集まりでこっそりやらずに、一般市民の面前で堂々とやったらよいのです。駅前や商店街で、道行く人に投票用紙に似せた紙を配り、「1枚目には公明党推薦の何山誰夫と書いて下さい。2枚目には公明党と書きましょう」「おばあちゃん、公明党という字は、もっとはっきり書いた方がいいですよ」と、やってみたらどうでしょうか? きっと道行く人誰もが、「公明党の選挙活動ではないか!」と抗議するはずです。

こんな「クロをシロと言いくるめる」ような人たちが、政権与党に加わっているのかと思うと、恐ろしくなります。

ところで、このおばちゃんが「宗教団体が政治活動をすることは憲法上なんら問題はない」といっているのは、たとえば信仰を持った人々が信仰に基づいてイラク戦争に反対するとか、憲法九条を守れと訴えるとか、そういう一般的な政治的要求をかかげた活動をやる自由がある、ということです。しかし、宗教団体が、特定の政党を支持するよう信者に強制することは、こうした一般的な政治的活動の自由とはまったく別ものです。

そもそも宗教団体というのは、信仰にもとづく組織です。だから、同じ宗教を信仰しているといっても、自民党支持の人もいれば、共産党支持の人もいる、公明党を応援する人もいれば民主党だという人もいる、あるいはどの政党も支持しないという無党派の人もいる、というのが当たり前です。こういう人たちに、教団幹部が特定政党の支持を押しつけるとしたら、これは、憲法が保障する個人の政党支持の自由、思想・信条の自由を侵害するものです。

労働組合が民主党支持を機関決定して組合員に強制したり、医師会とか税理士会といった職業団体が自民党に政治献金をおこない、自民党の末端として選挙活動をおこなう、などというのが憲法違反であるのと同じように、創価学会が公明党支持を学会員に強制するのも憲法違反なのです。

もともと創価学会は、1960年代末に、政治学者・藤原弘達氏の『創価学会を斬る』など、公明党・創価学会をとりあげた本の出版妨害事件を引き起こし、世論の批判を受けて、1970年5月に、当時の池田大作会長が「言論妨害と受け取られ、関係者の方々に圧力を感じさせ、世間にも迷惑をおかけしてしまった」と事実を認め、「猛省」を表明しました。そしてその際、公明党と創価学会を分離する、選挙は公明党がやると約束したことがあります。にもかかわらず、こうした約束はまったく守られず、選挙となると創価学会をあげて公明党の選挙をやる、ということが公然と続いています。

前の投書の男性は、「税金を免除されている宗教法人の会館で、堂々と特定政党の選挙活動が行われていることに疑問を持った」と書いていますが、自民党だって民主党だって共産党だって、事務所を持てば、当然固定資産税も払っている訳ですが、公明党=創価学会だけは、創価学会の宗教施設という名目で税金を免除された建物で、堂々と公明党の集票活動をやる、そんなことが許されるのか、という疑問はいたって当然のことです。

  1. 二股膏薬とは「(内股に貼った膏薬のように)その時の情勢でどちらの側にも従う人。節操のない人」のこと。三省堂『大辞林』より []

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  1. 鳥居正宏のときどきLOGOS - trackback on 2007/07/18 at 19:48:39

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