日米中、高校生の意識調査

今日、各紙で大きく取り上げられていた財団法人日本青少年研究所の実施した「高校生の学習意識と日常生活――日米中3カ国比較」。なるほどと思うべきか、深刻に受け止めるべきか。

主な調査結果は、こんな感じ。(単位は%)

【勉強について】

日本 米国 中国
「学校以外ほとんど勉強しない」(平日) 45.0 15.4 8.1
「学校をさぼる」ことは「絶対してはならない」 30.8 49.8 63.8

【生活態度】

日本 米国 中国
「いまの生活で何でもできるとしたら、一番したいのは好きなように遊んで暮らす」 38.3 22.5 4.9
「若い時は将来のことを思い悩むよりその時を大いに楽しむべき」 50.7 39.7 19.5

しかし詳細に見ると、こういう回答もあったりします。

【あなたの将来は次のどれになりそうですか?】

日本 米国 中国
輝いている 23.8 45.8 33.8
まあよいほうだが最高ではない 30.6 23.4 45.8
あまりよくない 10.0 1.1 4.7
だめだろう 6.2 0.4 0.8
わからない 28.6 27.7 14.6
無回答 0.8 1.6 0.2

アメリカや中国が「輝いている」「まあよい方」を合わせると7?8割に達するのに対し、日本は合わせても約5割。そして、6人に1人は「あまりよくない」「だめだろう」と、将来に希望が持てないでいるというのは、ちょっと驚き。将来に希望がないんじゃあ、勉強しようという意欲もわかないし、「将来のことを考えるより、とりあえず今を楽しめばいい」と考える割合が高いのも当然かも。そこのあたりから変えていかないと、ほんとに日本はどうにかなってしまいそうです。

それから、こっちも注目。アメリカでは3分の2が「もてる方だ」と思っているのにたいし、日本は、85%以上が「もてない」と思っているのは対照的。もちろん、「もてる方だ」と思っているからといって、実際に「もてている」とは限りませんが…。いずれにせよ、日本の高校生が「自信」をもてないでいることは確かですね。

【異性にもてるほうだ】

日本 米国 中国
よくあてはまる 2.9 19.0 7.4
ややあてはまる 7.5 48.4 38.3
あまりあてはまらない 39.8 25.5 45.8
全くあてはまらない 48.6 4.9 7.4
無回答 1.3 2.2 1.1

日本の高校生、45%が「学校以外で勉強せず」(日経新聞)

日本の高校生、45%が「学校以外で勉強せず」

 平日に学校以外の場で勉強しない高校生は中国が8%、米国が15%しかいないのに、日本は45%にも達することが15日、財団法人日本青少年研究所(東京)がまとめた「高校生の学習意識と日常生活」に関する比較調査で分かった。「授業中よく寝たり、ぼうっとする」と答えた生徒の割合も日本が7割強と最高で、学習意欲の低さが改めて鮮明になった。
 調査は昨年9?12月、日米中の高校生それぞれ約1000?1300人にアンケート形式で行い、ほぼ全員の回答を得た。
 平日、自宅や塾など学校以外の場でどのくらい勉強するか尋ねたところ、「ほとんどしない」とした生徒の割合は日本が45%でトップ。2時間以上勉強する生徒は中国が64%と最も多く、米国30%、日本23%の順で、日本の高校生の勉強時間の短さが際立つ結果になった。[NIKKEI NET 2005/03/15 23:19]

で、「産経」「読売」が大問題にしているのが、こっち。

日本 米国 中国
国にたいする誇りを「強くもっている」 15.4 29.4 29.3
国歌を聞いて「誇らしいと感じる」 11.1 54.8 50.0
国旗を見て「誇らしいと感じる」 13.3 53.9 48.4

まあ、いまの日本を「誇り」を感じるか?と言われれば、大人だって、とてもじゃないですが、「誇り」には感じられないでしょう。「教育」を云々する前に、まず政治の現状こそ反省すべきでしょう。

それから、国歌については、他にも「親しみを感じるか」とか「愛着を感じるか」という質問があります。やっぱりこれも%が低い。まあ、「君が代」は、「親しみを感じる」とか「愛着を感じる」といった雰囲気の曲想ではないですからねえ。

国歌を聞いて、どう思いますか? 日本 米国 中国
親しみを感じる 10.5 15.8 46.8
愛着を感じる 7.2 13.3 12.2
誇らしいと感じる 13.3 53.9 48.4

ところで、日米中、いずれも「愛着を感じる」の率が低いのは、やっぱり国歌というものは「愛着を感じる」ようなものじゃないということでしょうか。また、日本の場合も中国の場合も、「親しみを感じる」という割合と、「誇らしいと感じる」という割合がほぼ同じ(日本がどちらも低いのにたいし、中国はどちらも高いという違いはありますが)。それにたいして、アメリカの場合、「親しみを感じる」という割合が15%なのに、「誇らしいと感じる」の割合が55%近くあります。「親しみ」は感じないけれど、「誇らしい」というのはどういうことなんでしょうねえ…。アメリカ国歌は、大国アメリカの国家の一員としての感情をくすぐる、ということなんでしょうか。

作成者: GAKU

年齢:50代 性別:男 都道府県:東京都(元関西人) 趣味:映画、クラシック音楽、あとはひたすら読書

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