ファルージャ包囲作戦

イラクでは、ファルージャ市への総攻撃が始まっています。国連も警告を発した包囲殲滅作戦です。

アナン国連事務総長:米英イラク首脳に警告書簡 ファルージャ大規模掃討「議会選挙の妨げ」(毎日新聞)

ファルージャの人口は約30万。それを包囲・封鎖した上で、米軍とイラク軍を合わせて1万5000人を投入するというのだから、どれだけの犠牲がでることになるか――。想像に難くないと言うべきか、想像するのが恐ろしいと言うべきか。しかしメディアが入り込めていないので、流れる情報はすべて米軍情報。日本のメディアの取り上げ方も、当然ながら、米軍サイドのものになっている。実態がどうなっているのか、伝わってこないのが恐ろしい。

ところで、小泉首相がこのファルージャ総攻撃に「成功させないといけない」と賛意を表明した。インターネットでみるかぎり、支持を表明したのは、小泉首相と英ブレア首相だけのようだ。米英軍のイラク攻撃の支持はフセイン政権にたいするものだ、自衛隊派兵も人道支援だという言い訳が成り立ったかも知れない。しかし、ファルージャ総攻撃への支持表明は、この作戦の結果がどうなったとしても、イラク国民の相当部分を「敵に回す」もの。これで、日本は、少なくとも、スンニ派イラク国民からみれば立派な「敵」になってしまったのだ。そんな重大なことを、いとも簡単に、あっさりと言ってのけるあたりが、この総理大臣の凄まじいところなのかも知れない。

イラク:ファルージャ総攻撃 小泉首相「成功させないと」(毎日新聞)

アナン国連事務総長:米英イラク首脳に警告書簡 ファルージャ大規模掃討「議会選挙の妨げ」

 【ニューヨーク高橋弘司】イラク駐留米軍が中部ファルージャへの大規模掃討作戦を計画していることに関し、アナン国連事務総長がブッシュ米大統領とブレア英首相、アラウィ・イラク暫定首相あてに異例の警告書簡を送ったことが5日、明らかになった。掃討作戦は、来年1月に予定される移行国民議会選挙の妨げになると訴えている。
 アナン事務総長は先月31日付でブッシュ大統領らに書簡を送ったとされる。国連筋によると、「ファルージャ制圧作戦は国内のイスラム教スンニ派勢力の選挙ボイコットを誘発しかねず治安安定への努力を妨げかねない」との懸念を示したものだという。アラウィ首相は書簡に関し「不明りょうな内容で、武装勢力をどう扱うかという代替案もない」と批判している。
 ファルージャ一帯は武装勢力が事実上支配。治安確保のため、駐留米軍は人口約30万人の街を封鎖し、武装勢力に「投降しなければ軍事力で制圧する」と大規模攻撃を予告している。[ 毎日新聞 2004年11月6日 東京夕刊 ]

イラク:ファルージャ総攻撃 小泉首相「成功させないと」

 小泉純一郎首相は9日午前、米軍によるイラク中部ファルージャの総攻撃について「成功させないといけない。治安改善がイラク復興支援のカギだから」と述べ、事実上支持する考えを表明した。[ 毎日新聞 2004年11月9日 東京夕刊 ]

作成者: GAKU

年齢:50代 性別:男 都道府県:東京都(元関西人) 趣味:映画、クラシック音楽、あとはひたすら読書

2件のコメント

  1. ピンバック: 旗旗
  2. TBありがとうございます。
    仰るとおり、ファルージャでの戦闘では、多くの罪の無い命が失われてしまうことでしょう。
    国益とは何なのか。国際貢献とは何なのか。本当に考える時期なのかもしれません。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください