吉川敏子『氏と家の古代史』

日本古代の「氏(うじ)」と家(「戸」)を論じた本。著者は奈良大学教授。 「氏」が「始祖を共有する父系系譜で結ばれた集団」(8ページ)であることをわかりやすく解き明かしている。氏姓は制度のもとで、中央の豪族(「氏」)は「連… 続きを読む 吉川敏子『氏と家の古代史』

読み終わりました。古瀬奈津子『摂関政治』

岩波新書の日本古代史シリーズ最終巻の古瀬奈津子『摂関政治』。オビにあるとおり、藤原道長を中心に、9世紀から11世紀ぐらいまでを対象にしています。 以前に、講談社の『天皇の歴史』シリーズでも書いたことですが、摂関期ぐらいに… 続きを読む 読み終わりました。古瀬奈津子『摂関政治』

森浩一先生、83歳でもまだまだお元気

考古学の森浩一氏の新著『天皇陵古墳への招待』(筑摩選書)。 天皇陵古墳というのは、宮内庁が天皇陵(あるいは陵墓参考地)だとしている古墳のことです。僕が小学生のころ、初めて古墳のことを習ったころは「仁徳天皇陵」「応神天皇陵… 続きを読む 森浩一先生、83歳でもまだまだお元気

東北から見ると、律令国家の正体がよく分かる

先日読んだ坂上康俊『平城京の時代』でしばしば言及されていたので、続けて鈴木拓也『蝦夷と東北戦争』(吉川弘文館、2008年)を読んでみました。 坂上田村麻呂の名前ぐらいは日本史の授業で習いましたが、それ以上はよくわかないと… 続きを読む 東北から見ると、律令国家の正体がよく分かる

読み終わりました 『平城京の時代』

岩波新書「シリーズ日本古代史」の4冊目。坂上康俊氏(九州大学教授)の『平城京の時代』です。 対象は、697年の文武天皇の即位からほぼ8世紀いっぱいぐらいまで。ということで、以前に紹介した講談社『天皇の歴史』第2巻『聖武天… 続きを読む 読み終わりました 『平城京の時代』

日本古代史の文献をあれこれ読みました

左=吉川真司『飛鳥の都』(岩波新書)、右=同『聖武天皇と仏都平城京』(講談社) 日本古代史のシリーズを読んでいます。1つは、岩波新書ではじまった「シリーズ日本古代史」。「農耕社会の成立」から「摂関政治」までを対象とした全… 続きを読む 日本古代史の文献をあれこれ読みました

いちおう勉強もしてます… (^^;)

年末からコンサートと映画の記事ばかりで、遊んでばかりいると思われると困るので、まだ3分の2程度しか読んでいませんが、いま読んでいる本を紹介しておきます。 講談社の「天皇の歴史」(全10巻)の第1巻、大津透『神話から歴史へ… 続きを読む いちおう勉強もしてます… (^^;)

奈良・牽牛子塚古墳から8角形の石敷き、斉明天皇陵と確認

奈良県の牽牛子塚古墳の発掘調査で、8角形に石が敷かれていたことが確認されたというニュース。これで、同古墳が斉明天皇陵であることがほぼ確定しました。 宮内庁が天皇・皇族の陵墓に指定した古墳は、研究者による発掘調査も不可能。… 続きを読む 奈良・牽牛子塚古墳から8角形の石敷き、斉明天皇陵と確認

仏教にとって戒律とは? 東野治之『鑑真』

日本古代史の東野治之・奈良大教授の新刊。11月発売の岩波新書の1冊。 5度の失敗や失明にも負けず、日本への渡来を果たした鑑真和上は有名ですが、本書で東野氏は、その鑑真がそこまでして日本へ伝えたかったものは何だったのか? … 続きを読む 仏教にとって戒律とは? 東野治之『鑑真』

最古の万葉歌木簡見つかる

万葉歌が刻まれていた石神遺跡出土の木簡(奈良文化財研究所提供、読売新聞) 「万葉集」というのはすでに存在していた歌を集めたものだから、歌集成立前に、万葉集に収められた歌が見つかってもおかしくはないけれども、それでも、和歌… 続きを読む 最古の万葉歌木簡見つかる

出た?!! 万葉集の歌を書いた木簡

滋賀県の紫香楽宮跡から出土した木簡に、万葉集の歌が書かれていたことが判明。しかも、この木簡の年代が、万葉集が編纂されたとされる年よりも前だというのです。万葉集の編纂作業あるいは成立プロセスを示す現物資料になるんでしょうか? すごい、すごすぎる…。

古墳時代の前までは日本の親族は双系だった

田中良之『骨が語る古代の家族』(吉川弘文館) 人の「歯」を使って、縄文時代、弥生時代、古墳時代の墓に埋葬された人骨の血縁関係を調べた本。 歯冠の形には高い遺伝性があるそうで、それを使って、1つの墓、墳墓、あるいは集団墓に… 続きを読む 古墳時代の前までは日本の親族は双系だった

千葉・稲荷山遺跡から「七星剣」

今日の「毎日新聞」夕刊の「遺跡の現在形」で紹介されていたのですが、千葉県成田市の稲荷山(とうかやま)遺跡で、1983年に出土していた鉄製の剣を調査したところ、刀身に北斗七星を刻んだ「七星剣」であったことが判明したそうです… 続きを読む 千葉・稲荷山遺跡から「七星剣」

今城塚古墳で横穴式石室の基礎の石組み遺構見つかる

大阪・高槻の今城塚(いましろづか)古墳で、横穴式石室を支えたであろう基礎にあたる石組み遺構が見つかりました。 宮内庁によって陵墓に指定された古墳は発掘調査ができないため、これまで大王クラスの墳墓がどうなっているのかあまり… 続きを読む 今城塚古墳で横穴式石室の基礎の石組み遺構見つかる

勅使河原彰『歴史教科書は古代をどう描いてきたか』

帯に「『つくる会』教科書、徹底批判!」とあるので、最初は、「つくる会」の歴史教科書の古代史部分をとりあげて批判した本かと思って読み始めましたが、実際には、それにとどまらず、明治以来の歴史教科書と歴史教育の移り変わりを丹念… 続きを読む 勅使河原彰『歴史教科書は古代をどう描いてきたか』