いいところを狙ってはいるのだが… 『大飢饉、室町社会を襲う!』

応永27年(1430年)を中心とした大飢饉。寛正の大飢饉(寛正元?2年、1460-61年)とならぶ、室町時代の2大飢饉。この大飢饉に襲われたとき、上は将軍・室町殿から下は市井の人々まで、室町時代の人々はどうしたか? それ… 続きを読む いいところを狙ってはいるのだが… 『大飢饉、室町社会を襲う!』

古墳時代の前までは日本の親族は双系だった

田中良之『骨が語る古代の家族』(吉川弘文館) 人の「歯」を使って、縄文時代、弥生時代、古墳時代の墓に埋葬された人骨の血縁関係を調べた本。 歯冠の形には高い遺伝性があるそうで、それを使って、1つの墓、墳墓、あるいは集団墓に… 続きを読む 古墳時代の前までは日本の親族は双系だった

婦唱夫随? 脇田修・晴子『物語 京都の歴史』

1月刊の中公新書、脇田修・脇田晴子ご夫婦による『物語 京都の歴史』。戦国時代までを奥様の脇田晴子氏が、近世以降を修先生が書かれています。 本書の特徴の1つは、平安遷都からではなく、原始・古代の京都から始まっているところ。… 続きを読む 婦唱夫随? 脇田修・晴子『物語 京都の歴史』

小和田哲男『戦国の城』

お城といっても、江戸時代のお城ではなく、中世、戦国時代のお城の話です。 戦国時代のお城は僕も大好きで、たとえば東京周辺には、八王子城、武蔵滝山城(ともに八王子市)とか鉢形城(埼玉県寄居町)など、後北条氏のお城があちこちに… 続きを読む 小和田哲男『戦国の城』

宮地正人『幕末維新期の社会的政治史研究』

宮地正人氏の『幕末維新期の社会的政治史研究』から、とりあえず主だった論文を読み終えました。 宮地氏の明治維新史研究は、あとがきで「それまでの明治維新史研究では、私としては理解困難だった諸点の解明を通じての、自分なりの政治… 続きを読む 宮地正人『幕末維新期の社会的政治史研究』

大石嘉一郎『日本資本主義百年の歩み』を読み終えました。

大石嘉一郎氏の『近代日本地方自治の歩み』 (大月書店、2007年)に続いて、買ったままになっていた『日本資本主義百年の歩み』(東京大学出版会、2005年)を読み終えました。 いわゆる正統派の立場から、通史的に書かれている… 続きを読む 大石嘉一郎『日本資本主義百年の歩み』を読み終えました。

こんなの出てました――中公文庫『日本の歴史』別巻

1965年から1967年にかけて刊行された中央公論版『日本の歴史』は、昨年、中公文庫の新装版で再刊されましたが、こんどその「別巻」が出版されました。中身は何かというと、最初に『日本の歴史』が刊行されたときに挟み込まれてい… 続きを読む こんなの出てました――中公文庫『日本の歴史』別巻

井上勝生『幕末・維新 シリーズ日本近現代史<1>』(岩波新書)

「維新史を書き直す意欲作」という宣伝文句。もちろん、この間の資料発掘や研究によって明らかになった新事実をもりこんだ最新の通史という意味で、僕自身、いろいろ勉強にもなったし、なるほど考えなおさないといけないなと思ったところ… 続きを読む 井上勝生『幕末・維新 シリーズ日本近現代史<1>』(岩波新書)

井上清『日本現代史<I> 明治維新』を読み終えました

『日本通史<III> 国際政治家の近代日本』の宮地正人氏が解題を書いているということで、2001年に再刊された井上清『日本現代史<I> 明治維新』(東大出版会、親本は1951年刊)を手に入れて読み… 続きを読む 井上清『日本現代史<I> 明治維新』を読み終えました

ノート:宮地正人『日本通史<III> 国際政治下の近代日本』(1)

故あって、宮地正人『日本通史<III> 国際政治下の近代日本』(山川出版社、1987年)を読み始める。19年前の本だけれども、日本の近現代史を一つの立場で俯瞰してみせた希有な通史として、いろいろと勉強になる。… 続きを読む ノート:宮地正人『日本通史<III> 国際政治下の近代日本』(1)

追悼 峯岸賢太郎先生

都立大学の峯岸賢太郎先生が、11日、亡くなられていたことを新聞で知りました。 峯岸先生とは、学生の頃から部落研の研究会でしばしばお世話になりました。最近は僕が研究活動を離れたため、年賀状のやりとりをさせていただいていただ… 続きを読む 追悼 峯岸賢太郎先生

読んでいます 中公版・日本の歴史『開国と攘夷』

先日の歴史教科書シンポジウムの討論のときに、琉球大学教授の高嶋伸欣さんが、日本の対アジア観という大事な問題に関連して、小西四郎著『開国と攘夷』(中央公論社版日本の歴史<19>、親本は1966年刊)を紹介されて… 続きを読む 読んでいます 中公版・日本の歴史『開国と攘夷』

甘樫丘で7世紀の建物跡見つかる

蘇我入鹿の邸宅跡ではないかと大きく報道されていますが、よく読むと、今回発見された建物跡はいずれも小さいもの。まだ入鹿邸宅跡と断定することはできないようです。 蘇我入鹿の邸宅跡か 奈良・明日香村ふもとで建物跡出土(朝日新聞… 続きを読む 甘樫丘で7世紀の建物跡見つかる

森本忠夫『マクロ経営学から見た太平洋戦争』

著者の森本忠夫氏は、1926年生まれ。戦時中は海軍航空隊員として太平洋戦争に従軍。戦後は東レ取締役、東レ経営研究所所長などを務められた方。本書は、1985年に文藝春秋社から『魔性の歴史』というタイトル(これは、荒木二郎宛… 続きを読む 森本忠夫『マクロ経営学から見た太平洋戦争』

山中恒『アジア・太平洋戦争史』

山中恒さんの『アジア・太平洋戦争史――同時代人はどう見ていたか』(岩波書店)をようやく読み終えました。全体で600ページを超える大著ですが、はまりこんで夢中になって読み進めることができました。 本書が対象としているのは、… 続きを読む 山中恒『アジア・太平洋戦争史』

佐々木潤之介『江戸時代論』 途中経過報告

先日いただいた佐々木潤之介先生の『江戸時代論』(吉川弘文館、9月10日刊)ですが、行き帰りの電車の中で一生懸命読んでいます。 まだ第1部「社会史的江戸時代史」を読み終えて、第2部「日本・朝鮮・中国」に入ったところですが、… 続きを読む 佐々木潤之介『江戸時代論』 途中経過報告